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様子がおかしかったヒョンソン。
その理由は、レジで精算するときに明かされた。
「A、もう一度やり直そう。付き合ってくれ！」
『……は？』
息を大きく吸って、何を言い出すのかと思えば。
わざわざ大きな声を出して、注目を浴びるために告白してきたような彼。
『ちょっと、やめてよ…。』
他の常連さんたちと目が合う。
彼はヘラっとわらって言う。
「あの時は俺が悪かった。今からやり直さないか？」
あの時。
婚約もしたヒョンソンが別の女の肩を抱いて遠ざかる景色がフラッシュバックする。
…そんな一言で許されるとでも思ってんの？
「いった…。そこはせめて平手打ちだろ…。」
右手がわなわなと震え、気づけば彼の頬を思いきりグーで殴っていた。
『馬鹿言わないでよ。悪いと思ってんなら二度と姿を見せないで。』
「そんなこと言うなよ…。」
『婚約までして、浮気したのは誰よ。別れを突き付けたのはアンタでしょうが！』
「なあ、マジでほっぺ痛いんだけど。」
『私だって痛いわ。』
コイツを殴ったこの手も、ずっと前から傷が癒えないでいるこの心も。
『…出て行って。あんたと復縁する気なんてないから。』
「A、」
『二度と来ないで。』
絶望的な顔をするヒョンソン。
少し罪悪感を感じながら、荒れた心を落ち着けるように深く息を吐く。
そして、目の前の男を通り過ごし、店内に向かって頭を下げる。
『騒がしくさせてしまい、申し訳ありませんでした。問題は解決いたしましたので、どうぞごゆっくりおくつろぎください。』
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作者名：YI* | 作成日時：2019年11月24日 12時
