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自分の仕事場の電気を消してカギを閉めて、外へ出て足を進める。
今日はずっともやもやしていて、お皿を一枚割ってしまった。
しかもそれに気づかずに破片を踏んでしまい、けがはなかったがバイト君に心配されてしまった。
「店長、最近風邪流行ってるんですって。今日は早めに閉めましょうよ。」
なんて言われちゃって…。
風邪じゃないんだけどな。
…面目ない…。
風にふかれながら見えてきたアンティークな看板。
『…来ちゃった。』
足を止めたのは、随分前に名刺交換をしたユンギさんのバー。
なんとなくお酒が飲みたくなって、でも居酒屋の気分ではなくて。
そうして思い出したのがここ。
普通のカフェのような建物で、落ち着いた雰囲気だ。
思ったより軽い扉を開くと、ジャズが聞こえてくる。
カウンターに座って、メニューを開く。
…主にワインのお店なんだね…。
全然わかんないや。
ぶどうのワインっておいしいらしいから、頼んでみよっかな。
本で読んだだけだけど。
「こんばんは。」
聞こえていた声に顔を上げる。
「来てくださったんですね。」
『こんばんは、ユンギさん、お久しぶりです。』
バーの店員らしく制服に身を包んだユンギさん。
かっこええ…。
「何か頼みますか？」
『えっと、あまりワインに親しみがなくて…。おすすめはありますか？』
「では、白ブドウのワインはどうでしょう？お腹はすいてますか？」
そういえば、晩御飯食べてないや。
『…すいてます。』
店を早めに閉じて、すぐに来たからなあ。
「では、ご用意しますね。」
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作者名：YI* | 作成日時：2019年11月24日 12時
