coffee time 【YG】 (ページ12)

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「ん？来たら悪いか？金払ってやってんだぞ？」

ズボンのポケットに両手を入れて、偉そうに言うヒョンソン。

また来たの、と聞いたのは決して好意からではない。嫌悪感だ。

それに気づいているはずなのに、この態度。

ふてぶてしいヤツめ。

『…それはどうも。注文は？』

「Aセットちょうだい。」

『…今日はランチなの？』

思わず顔をしかめる。

普段、ヒョンソンはコーヒーを飲みに来るだけだ。

何か用事でもあるのか。

「だって、その方がお前と長くいられるだろ？」

『……は？』

鳥肌。

なんでキメ顔してんの？

“その方が長くいられる”…？

彼氏でもなく、元カレなのに？

きっと、この言葉は想いを寄せている人に言われたなら、嬉しかっただろう。

私をこっぴどく捨てた元カレに言われても寒気がする。

Aセットと称した、サンドイッチの具材を切り、パンに焦げ目をつける。

黙々と作業を続けていると、目の前で冷めたであろうコーヒーを飲んでいた父が言う。

「あの男の人、知り合いか？」

『元カレのヒョンソンだよ。』

「ああ、あいつか。」

ヒョンソンのことを嫌っている父。

もちろん、私が別れた時の愚痴を父に打ち明けたからなんだけど。

「…ひねり上げて追い出すか？それとも吹っ飛ばす？」

『いや、まだいい。お金払ってもらってからね。』