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「お母さんのことで、気を悪くしたのならごめん。」
タクシーに向かって歩いていく、恭平にそう言うと、彼はもうどうでもいいようだった。
それもそっか、彼はもう死んだのだから。
＊＊＊
二十歳の誕生日を過ぎたあたりから、彼の帰りが遅くなった。
春休みだということもあって、土曜以外にも泊まりに来てた私。
夜ふかしして時計の短い方の針が2を超えても、彼の帰宅を知らせるドアの音はしなかった。
「…ん、わかった。」
人の話し声が聞こえて、寝ていた身体を起こす。
玄関に繋がるドアを開けると、ドアに凭れてスマホ片手に電話中の彼。
「あぁ、…それでええわ。
あとは、また出勤してから聞くから。」
「…恭平…？」
電話が切れたあと、声をかけたのにピクリともしない彼。
「恭平？」
駆け寄って肩を抱くと、目は閉じられていて、呼吸は深い。
スーツから漂うのは、アルコールの匂いと、香水の
…彼のものではない匂い。
彼の仕事のことに口出しする気はなかったが、明らかに立場が変わってるのだということはわかっていた。
明らかに仕事量は増えてるし、成人したから飲まされてかえってくることもしばしば。
不安にならない、はずがなかった。
一年前、彼が言ってた意味がようやくわかった気がする。
会いたい時に、会えない関係。
玄関で座り込んでいる彼の胸に凭れて、首に腕を回す。
「恭平、おかえり。」
そう、耳元で囁くと、彼の腕がゆっくり動いて私の身体にまとわりついた。
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コロ - ヤバイです。素敵な作品でみいってしまうというか、、、すごく感動しました！こんな神作始めてです！ (2020年5月15日 21時) (
レス) id: b14fc19f6c (このIDを非表示/違反報告)
那都(プロフ) - とても面白かったです！大晴くん推しなので、くっついてくれて嬉しかったです！1つ気になるのですが、あのオーナーは誰を想定していたんですか？私の中では室くんだったんですが、、教えて頂けたら嬉しいです！ (2019年11月25日 22時) (レス) id: c96a99fffa (このIDを非表示/違反報告)
はらへり - わぁぁぁ！気になります気になります！前回の作品に続いて応援しています！楽しみにしています(^ ^) (2019年6月12日 18時) (レス) id: aacee0baab (このIDを非表示/違反報告)
純鈴(プロフ) - 凄い面白いです！これからの展開にドキドキしてます。更新頑張ってください。待ってます！！ (2019年5月28日 23時) (レス) id: f70ff81fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう
| 作成日時：2019年5月19日 20時
