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「おまえほんまに可愛ええな。」
愛おしそうな目で毛を梳く。
「連れて帰りたいくらい」
目の前で彼が言うそんな言葉が、甘すぎてクラクラする。
目を細めて、マルの首を愛おしそうに撫でるその姿は、学校でガン飛ばしまくってる姿からは想像もつかない。
「マル、すっかり高橋くんのこと友だちだと思ってるんだね。」
「友だちかぁ。
まあ、確かにご主人様に対する態度ではないな」
構って構ってというふうに、高橋くんのまわりを駆けるその姿は、新しいお友だちが出来た幼稚園児のようだ。
「犬飼っててんなら、もっと早く教えてくれたらよかったのに。」
「だって…」
「だってなに？」
「知らなかったんだもん、高橋くんのこと。」
「それもそやな。」
そう言って、こちらを振り向いた彼と目が合う。
二人の間にマルがいることなんて一瞬忘れた。
だって、高橋くんが優しそうな目で私を見てくれたから。
「また、こいつに会わせてよ。」
「え？会ってくれるの？」
「うん。…俺の癒し。」
「…よかった。マルとは幼稚園の頃から一緒だから、私の弟みたいな感じなんだ。」
「へぇ。
ほらマル、帰んぞ。」
高橋くんがそう言うと、ちょこちょこと走ってきて、彼が広げた腕の中にちょこんと抱かれる。
「高橋くん、今日はお休みなの？」
夏休みの高校生にこんなこと聞くのはおかしいかもしれないけど、彼の生活の中心は間違えなく夜のお仕事だった。
「そう。基本休みは日曜だけやねんけど、たまに臨時休業とか。」
「じゃあ、次の日曜…あ。」
「ん？」
ぱっと閃いたものを彼に言っていいのだろうかと戸惑っていると、どうしたん？とわざわざ私の返事を待ってくれた。
「来週の日曜、花火大会なんだ。」
「へぇ。もうそんな時期か。」
「毎年、観てる穴場があって…
そんなに興味ない？ごめん忘れて」
話しながら歩いてたら、もう家の前まで来ていた。
高橋くんは、マルを私に返してくれて
「行こか。」
「へ？」
「花火大会。西野さん、案内してや。」
呆然としてる私に、またなと言うと、ご丁寧に門扉まで閉めて帰って行った。
その後ろ姿を見て、ようやく彼が言ったことが理解出来た私は、腕の中のマルをギュッと抱きしめた。
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コロ - ヤバイです。素敵な作品でみいってしまうというか、、、すごく感動しました！こんな神作始めてです！ (2020年5月15日 21時) (
レス) id: b14fc19f6c (このIDを非表示/違反報告)
那都(プロフ) - とても面白かったです！大晴くん推しなので、くっついてくれて嬉しかったです！1つ気になるのですが、あのオーナーは誰を想定していたんですか？私の中では室くんだったんですが、、教えて頂けたら嬉しいです！ (2019年11月25日 22時) (レス) id: c96a99fffa (このIDを非表示/違反報告)
はらへり - わぁぁぁ！気になります気になります！前回の作品に続いて応援しています！楽しみにしています(^ ^) (2019年6月12日 18時) (レス) id: aacee0baab (このIDを非表示/違反報告)
純鈴(プロフ) - 凄い面白いです！これからの展開にドキドキしてます。更新頑張ってください。待ってます！！ (2019年5月28日 23時) (レス) id: f70ff81fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう
| 作成日時：2019年5月19日 20時
