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一緒に乗り込んだものはいいものの全く口を開かない車内。
なにか話そうと思った瞬間に、恭平のスマホが鳴り出した。
メッセージアプリ特有のあの着信音。
きっと呼び出しの電話だろう
「もしもし、」
恭平のアイコンは、もう可愛らしい犬ではない。
スーツを着て、バシッと髪の毛も決めた恭平の写真だ。
仕事に活かせるように、とのことらしい。
「もうすぐ戻ります。
それまでおってくださいね？」
もう、2人だけの時間は存在しない。
「うちのマルがさ、」
そう言うと、ようやく顔をこっちに向けた恭平。
私には興味がないのに犬の話題になったら振り向いてくれるとか、私は犬以下のようだ。
「もう、長くないんだって。」
「…そっか、」
「会いに来てあげて。
もう目も見えてないらしいんだけど、ずっと…
恭平のこと探してるの。」
＊＊＊
「今日はここまで。復習と明日の予習も忘れないように」
そんな声がかかると、席を立ち動き出す生徒たち。
私は、黒板を消される前に必死にノートに写し、ギリギリ間に合うとシャーペンを筆箱にしまいジッパーを閉めた。
「Aちゃん、この後どっか寄って帰らない？」
夏休みだからいいかな、なんて思う。
けれども、私には時間がない。
大学に行けたらいい子たちとは、わけが違うのだ。
「ごめんね、私模試やばくって…
残って勉強する。」
学校を出たのは、下校時刻の17時。
まだまだ暑い夏の太陽も、だいぶましになる時間。
「ただいま、マル。
…え？大丈夫？？まさか犬も熱中症？？」
いつもなら呼びかけたら、反応するマルが玄関のコンクリートに寝転んだまま動こうとはしなかった。
「なんか、コンクリートがひんやりして気持ちいいらしいわよ」
ご飯を作っていたお母さんに相談するとそんな返事が返ってきた。
「なら、散歩は夜行こうかな…」
自室に戻り、スマホを見ると点滅していて
パッと画面を明るくすると、高橋くんからメッセージが入っていた。
『犬？写真ないん？』
自然と頬が緩む。
「今日暑かったからブサイクな写真しか撮れないよ。
よかったら、夜散歩行くけど、来ない？」
思い切ってそんなお誘いをして、数分。
『いいん？会いたい』
そんな、返事が返ってきたから私はそれどころではなくなってしまった。
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コロ - ヤバイです。素敵な作品でみいってしまうというか、、、すごく感動しました！こんな神作始めてです！ (2020年5月15日 21時) (
レス) id: b14fc19f6c (このIDを非表示/違反報告)
那都(プロフ) - とても面白かったです！大晴くん推しなので、くっついてくれて嬉しかったです！1つ気になるのですが、あのオーナーは誰を想定していたんですか？私の中では室くんだったんですが、、教えて頂けたら嬉しいです！ (2019年11月25日 22時) (レス) id: c96a99fffa (このIDを非表示/違反報告)
はらへり - わぁぁぁ！気になります気になります！前回の作品に続いて応援しています！楽しみにしています(^ ^) (2019年6月12日 18時) (レス) id: aacee0baab (このIDを非表示/違反報告)
純鈴(プロフ) - 凄い面白いです！これからの展開にドキドキしてます。更新頑張ってください。待ってます！！ (2019年5月28日 23時) (レス) id: f70ff81fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう
| 作成日時：2019年5月19日 20時
