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なんば駅に来たのは、片手で数える程だ。
初めて来たのは、お母さんやおばさんたちとお笑いを観に来た時。
南北に伸びる商店街の中国人の多さに驚いた覚えがある。
大阪に住んで早8ヶ月。
なぜ土地勘がこんなにもないかと言うと簡単。
大晴以外に友だちもいない、私のこの街での生活範囲は職場と家の往復で。
たまに彼が遊びに連れて行ってくれるだけだからだ。
御堂筋線を降りて改札を出て、スマホを見ると
『ごめん！遅延出とった！！』
彼の通学路線は、よく遅延が出る線だ。
ここで、ボーと立ってるのもなぁと思った私は、地上に出てみることにした。
もうすっかり慣れてしまった大阪名物の豚まんの匂いと、ケーキだろうか、焼きたての甘い匂いが混じる商店街。
耳に入ってくる言語は、聞きなれたものではない。
ワクワク感に溢れる一方で、見知らぬ土地で彼のいない不安も感じる。
商店街を抜けると、戎橋に着いた。
冬の夜の戎橋は、なぜだか幻想的だった。
橋の下を通る屋台船、大きなお菓子の看板は昼間とは装いを変えていた。
腕の時計で時間を確認する。
彼が到着すると言った時間にはまだ15分ほどあった。
「お姉さん、時間ありません？」
そう言ってくるのは、スーツをビシッと着こなした、男の人。
髪の毛もセットされているが、男の人というよりは男の子と言った方がしっくりくる。
嫌でもあの当時の彼の姿を思い出す。
なにも言い返さない私に行けると思ったのか畳み掛けられる言葉
「ホスト、とか興味ないっすか？」
「初めての人は、めっちゃサービスしますんで！」
ここは、東京でいう新宿のようなところなのか、と頭の片隅で考える。
電車が何本も乗り入れしてて、観光客も多い。
そして、彼らの仕事場でもある。
「タクヤ、やめとけ。」
幻覚かと思った。
「あ。おはようございます！」
「それ多分人待ちなだけや。あっちの方が、付いて来るんちゃう？」
そう言い、あげた目の前の顔に確かに見覚えがあった。
なんで彼がここに？
彼もきっと驚いてるだろうと思ったのに、
彼の表情は全く変わらなかった。
「すいませんお姉さん。じゃ！」
そう言って、追いかけるホストの男の子。
「待ってください、キョウさん！」
あっという間すぎて声を出なかったが、
どう考えても、今のは東京にいるはずの彼だった。
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コロ - ヤバイです。素敵な作品でみいってしまうというか、、、すごく感動しました！こんな神作始めてです！ (2020年5月15日 21時) (
レス) id: b14fc19f6c (このIDを非表示/違反報告)
那都(プロフ) - とても面白かったです！大晴くん推しなので、くっついてくれて嬉しかったです！1つ気になるのですが、あのオーナーは誰を想定していたんですか？私の中では室くんだったんですが、、教えて頂けたら嬉しいです！ (2019年11月25日 22時) (レス) id: c96a99fffa (このIDを非表示/違反報告)
はらへり - わぁぁぁ！気になります気になります！前回の作品に続いて応援しています！楽しみにしています(^ ^) (2019年6月12日 18時) (レス) id: aacee0baab (このIDを非表示/違反報告)
純鈴(プロフ) - 凄い面白いです！これからの展開にドキドキしてます。更新頑張ってください。待ってます！！ (2019年5月28日 23時) (レス) id: f70ff81fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう
| 作成日時：2019年5月19日 20時
