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「あの、これ息子さんに。」
手紙を渡そうとすると、
『うちの息子はね、Aちゃんが大好きなの。
だからこれからもたまには会ってくれないかな？
ここには来づらいでしょうから、一緒にお買物しながらご飯にでも行きましょ？』
「え、いいんですか？」
『もちろんよ！
私も夫もAちゃんの東京での親のつもりなんだから！』
奥さんの言葉に止まった涙がまだじわじわと目に浮かんでくる。
涙声で「ありがとうございます！」と言うと、
『そんなに泣かないの！
目腫れちゃうわよ？
これから北斗くんと会うんでしょ？
最後はとびっきり綺麗な姿を彼の目に写さなくちゃ！
ほら、保冷剤持ってくるからその間に涙止めてね。』
私の周りにはこんなにも素敵な人がいることに改めて感謝をしながら、
なかなか止まらない涙をどうにか止めようと頑張った。
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作者名：淡き夢見し | 作成日時：2020年5月6日 22時
