さよなら愛した人、ここまでだ。 (ページ8)

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『北斗くんは知っているの？』

「知りません。

私が1人で決めました。」

『北斗くんはそれでいいのかしら。』

「それは分かりません。

でもきっと時間が解決してくれるはずです。

なるべく私を思い出さないように、私に繋がるものは全て取ってきました。」

『そっか……。

意思は固いのね。

Aちゃんはそれで後悔しない？』

「後悔しないとは言い切れないけど、デビューが決まったあの日からずっと考えていました。

思い出もたくさん作りました。

だからきっと大丈夫です。」

『そうね、分かったわ。

でもひとつだけ約束して。

絶対に幸せになるのよ？

そうしないと北斗くんが報われないでしょう？』

我慢していた涙が零れ落ちた。

「はい……！

何年かかってでも、絶対に幸せになります。

そして北斗に私以上に北斗を幸せにしてあげられる人ができた時に、
心の底から祝福したいです！！」

『誰にも頼れなかったんだよね。

1人で辛かったでしょ。』

奥さんは立ち上がると優しく私を抱きしめてくれた。

その腕の中で子供のように声をあげて泣いた。

「……すいませんでした。」

『気にしないでよ。』