さよなら愛した人、ここまでだ。 (ページ7)

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『おまたせ。』

コトっと置かれた白いマグカップにはアールグレイがなみなみと注がれていた。

『前〇〇ちゃんと一緒に買いに行ったアールグレイにしたの。』

「ありがとうございます。」

息を吹きかけて少し冷ましてからひとくち、口に含んだ。

『何かあったみたいだけどどうしたの？

言えたらでいいんだけど、誰かに話すことで楽になるかもしれないよ。』

このご家族は北斗がジャニーズ事務所に所属するアイドルだということを知っている。

その上で私たちの関係を応援してくれていたし、
週刊誌に撮られないように自分たちの家族のように行動してくれたことも数回ではない。

「……私、今日北斗と別れるんです。」

『理由を聞いてもいい？』

「はい。

ご存知の通り、北斗は来月デビューします。

デビューしたら今まで以上に週刊誌に狙われる。

ほんの些細なことでも記事にされるかもしれない。

そんな状況で私とのことがバレたら北斗だけじゃなくてSixTONESの評判が落ちます。

彼の重荷になるのは目に見えているんです。」