好き以上、愛してる未満。 (ページ14)

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"あ、A聞いた？
隣のクラスの浮所くん、彼女できたんだって"

「...へぇ〜、そうなんだ」

"はは、やっぱりAは興味なさげだね"

期末テスト3日前のお昼休み。

同じクラスの結愛とお弁当を食べていると、

苦笑しながらそんな事を言ってきた。

やっぱり、って失礼だなと思いつつも

「...正直、付き合うとか分からないんだよなぁ」

そう小さく呟いた。

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私は皆の事が大好きだ。

ただ、それだけ。

"まぁ、Aなら仕方ないか"

「っ、！ちょっと、仕方ないって何よ」

少しムッとして結愛を睨みつけるが

その結愛はニヤニヤしながら

"ね！那須"

と自分の席に着こうとする雄登に

突然話を振った。

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『ん？何が？』

"Aが恋愛に疎いって話"

『...まぁ、確かに』

「えっ、雄登まで？」

ふは、と息を零して答えた雄登を

まじまじと見つめる。

なんだ、私は恋愛に疎いのか。

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"ちなみに那須は好きな人いるの？"

『っ、！...は？おま、何言ってんの！？』

「え、...そうなの？」

結愛が問いかけると、

チラチラと私に視線を移し

明らかに動揺している様子の雄登。

結愛は未だにニヤニヤして雄登を見ている。

...どういう状況なのだろう。

私には分からない。

「いる、って事？...ちょっと、教えてよ」

『...何で』

「何でも！」

かれこれ5年も一緒にいる仲なのに。

私にとって雄登は、大好きな親友なのに。

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知らないなんて

悲しいし、悔しいじゃないか。

『本当に知りたいの？』

「...うん、」

何度目かの、教えて、の末

雄登はやっと教えてくれそうなのに。

そんな事言われたら、

聞いちゃいけない事なのかって。

知りたいのに謎の緊張で、

心臓がバクバクと音を立てる。

『...言ったら多分、Aの事困らせちゃうと思うけど』

「......どういう事？」

思わず眉間にしわが寄る。

『...まぁ、そういう事』

ほら、授業始まるから。と時計を指差して言っ

た雄登が微笑む。

椅子に腰を下ろし、黒板を見つめる雄登を横か

ら私が見つめる。

俺の事好きかとか、抱き締めてきたりとか

雄登の最近の行動がつかめない。

「そういう事って......どういう事よ」

小さく呟いて、私はため息をついた。

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