好き以上、愛してる未満。 (ページ21)

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ジリリ、と。

アラームの音で目を覚めした。

「...そっか、今日龍斗朝早いのか」

いつも起こしてくれる龍斗は

部活のため学校に行ってしまっていた。

ベッド横に置いたスマホを見れば

『俺用事があるから、9時に駅前で待ってて』

ゆとくんからメーセージが。

大学生って忙しいんだな、と思いながら

朝食を食べるため部屋を出た。

「今日ゆとくんとお出かけだから、お昼外で食べるね」

"あら、そうなの？昨日の内に言ってくれれば良かったのに"

「ごめん、忘れてた」

"もう、"

お母さんと朝食を食べながら会話をする。

ゆとくんと出かける時は

約束をしてても、特に計画はしてなくて。

完全にゆとくんにお任せ。

だから、今日はどこに行くのか分からない。

リビングの大きな窓から青空が見えて

今日は遊園地に行きたいな、なんて思ったり。

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テレビを見たり、支度をしていたら

いつの間にか家を出る時間になっていた。

「っよし、...行ってきまーす」

玄関にある全身鏡の前で、

おかしな所がないか確認して

お母さんに声を掛けた。

"いってらっしゃい、気を付けてね〜"

「はーい！」

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家から数分の所にある駅は

考え事をしていたらすぐに着いてしまった。

駅にある時計には8時50分の表示。

周りにある大きな建物の窓に映るのは

雄登が選んでくれた洋服を着た私の姿。

透け感のある黒のスカートと

白のオフショルダー。

青の小さなバッグも雄登が選んでくれたもの。

雄登って何でも出来るな、と感心していた。

『...あ、A〜！一緒に行けなくてごめんな』

「ううん、大...」

『え、どうした』

手を振りながら近づいてきたゆとくん。

こんな事言うと申し訳ないけど、ゆとくんは

あまり洋服選びのセンスがない。

何かとストライプとボーダーを

取り入れていた。

だけど、今日のゆとくんは何というか

すごく大人っぽい格好をしていて。

「...なんか、今日のゆとくんかっこいいね」

『っ、！まじで！？...って今日は？今日だけなの！？』

「あのっ、いつもより増してっていうこと！」

『っ、...お、おう、ありがと』

照れているのか、頬を赤くして髪をかく姿が

いつも見ないゆとくんで新鮮だった。

「ふふっ、ゆとくん可愛い」

『は！？ったく...年上を揶揄うんじゃねぇの』

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