[AU、アンテ]愛に溺れて窒息死

病アリ……インク ページ16

僕の隣のベッド
君の檻

その中で君は寝ている

その様子は美しくて、儚くて…


ぴくりとも動かないね、死んじゃったのかな


そう考えるのは良くないことだが

それが有り得てしまうのが僕らなのだ

僕らは二人とも病気

治りはしない


ふと棚の上の花瓶を見た

水はかれている

あぁ、この花の名前は何だっけ

君がくれたんだったよね

花瓶に歪んだ僕の顔がうつる

「ねぇ、君はさ」

いつ死ぬの？

____________________


『どうしたの、そんなに悲しい顔して』

「あ、おきたの？大丈夫、なんでもないよ」


手術時の麻酔の効果で寝ていたらしい

まぁそうだよね


「君こそ、大丈夫なの？
顔色が悪いけど」

『えっ、う、…

私の家族、もうこないのかも
私が病気のまま生まれてきちゃったデキソコナイだから来ないのかなっ…！』


あぁ、泣かないで、と頭を撫でた


「なら僕もデキソコナイの仲間だね！君とおそろいだ」

『そ、んなことおそろいなんて本当はやだけど…』

あなたとならいいや。


__________おとなになったらけっこんしようね！


あの日の記憶

今もまだ鮮明に。




二人ぼっち病室

寂しくないように悲しくないように

ずっと一緒に。


いっそこの針を

心の臓に突き刺してくれれば楽なのにね

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