episode.34 ページ39
貴女side.
阿「今日も来ちゃった。」
「どうぞどうぞ。」
最近は少しでも時間が空けば会いに来てくれる亮平くんに緊張していたものの、慣れてしまうと平気で返事ができてしまうから不思議だ。
彼の方も慣れた感じで仕事部屋に入っていくのでいつもの様にココアを淹れて部屋に向かう。
「今日お仕事は？」
阿「今日は1つだけだったからもう終わり。午後は空いてるから。」
「そうだったんだ。お疲れ様。」
そう言ってパソコンに向かう私がヘッドホンに手をかけると不満そうにした亮平くんの視線が痛くて手を止めた。
阿「A疲れてる？」
「いや、いつも通り。」
阿「そういう時は大体嘘だよね。」
「…亮平くんにはお見通しってことか。」
ここ数日あまりにも調子が良くて色々なアレンジを加えたりしていたらすっかり睡眠時間が削られてしまい、かれこれ2日はろくな睡眠が取れずに今に至る。
ここまでしてこの曲に本気で向き合いたいと思うのなんて初めてだし、それはきっと亮平くんだからだ。
阿「じゃあ今日は仕事のことは終わり。たまには休息しよう。ってことで、はい。」
両手を広げる彼に全力で首を振る私に更に彼はムッとしたので、亮平くんの顔を見ないように再びパソコンに向き直り今度こそヘッドホンを取った。
「仕事しましょう、もう少しで出来る気がするので。」
阿「もしかして照れてる？もう可愛いなぁ。そしたら俺が癒されたいからぎゅーってする。」
いつかのレッスン室でされた時のように背後から近寄る気配。
阿「30秒ハグする事でストレスは3分の1になるんだよ。好きな人とだったらなお効果あり。」
「癒しなら私は間に合ってます。あいにく"阿部ちゃん"がいますので。私じゃなくても亮平くんならやってほしいって人いっぱいいるでしょ。その…恋人じゃないんだから…。」
赤くなった顔に気づかれないように皮肉気味に言っても耳元で笑う亮平くんの声が近くて更に顔を赤くした。
阿「亮平くんじゃダメなの？このファンサするのはAだけなんだけど。だって俺、Aのこと好きだから。」
「はいはいもう30秒経った！終わり！仕事します！」
(亮平くんが私のこと好きっていうのはあくまでもファンとして、に決まってる)
何度も自分に言い聞かせて耳まで真っ赤に染めた私の眠気とか疲れは一瞬で3分の1どころか吹っ飛んだような気がして、ちょっと効果あったかもななんて冷静に考える私にまたしても不満そうに唇を尖らせた亮平くんが映った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 815人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴの(プロフ) - 更新楽しみにしています。 (9月21日 22時) (
レス) id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - ぴのさん» ぴのさん、コメントありがとうございます…！ゆっくり、ゆっくりと阿部ちゃんと近づけたく思ってますので温かく見守って頂けますと幸いです。 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: 0984604825 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - めちゃくちゃ、続ききになってます。 あべちゃんとヒロインの今後の関わりがたのしみです。 (9月21日 20時) (レス) @page14 id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：涼 | 作成日時：2023年9月18日 22時
