episode.32 ページ37
貴女side.
阿「お邪魔します…。」
「あまり片付いてないですがどうぞ。左の部屋に準備出来ているので今温かい飲み物淹れますね。ココアとコーヒーしかないんだけど…。」
阿「ん、じゃあココアでお願いします。あと息抜きにと思って甘いものたくさん買ってきたから食べながら話そ。Aチョコ好きでしょ？」
「う、うん。ありがとう…。」
ぱたりと閉じるドアに緊張の糸が切れてキッチンに座り込む。
(流れでああ言ったけどよくよく考えたら部屋にあげるとかありえなくない！？ひぇぇ、どうしよ…。)
「うわぁぁどうしよどうしよ。と、とりあえず仕事！そう仕事！！」
なんて考えている間に無情にもお湯は沸いてしまい、ココアを2人分用意して部屋のドアを開けた。目の前に立ち塞がる後ろ姿に声をかけると手元にあるのは昼に見てたDVD。
(うわ、そういえば仕事部屋にCDやらDVDやら置いてるんだった！！)
ちなみに開きっぱなしのパソコンの横にはちょこんと"阿部ちゃん"のアクスタが置いてある。…本人を目の前になんたる不覚。
慌てて亮平くんの手元にあるDVDを取ろうにもひょいと持ち上げられてしまい届かずに忘れてください、と騒ぎ回ったがくすくすと笑う亮平くんに躱された。
阿「ファンって言ってたの本当だったんだ。なんか嬉しい、ありがとう。」
「……それも忘れてください…。」
阿「やーだ。こんなにCDとか揃えられてるの見たらもう余計に忘れたくなくなっちゃった。」
「もう…。」
自分が思ってたより普通の亮平くんに意識していた私がバカみたいで頬を緩めたところにそういえば、と今度は目を輝かせた彼に身構えた。
阿「この部屋すごいね。完全防音だしキーボードやマイク、パソコンも。ここでいつもAの曲ができるんだ…。」
「あの、あんまりジロジロ見られると恥ずかしいと言いますか。」
阿「なんかこう…言葉にするの難しいんだけど、すごいなぁって。ファンとしてこれは見れて嬉しい。
それにこのアコースティックギター随分と古いやつなんだね。ちゃんと手入れされてるけど。」
「あぁ…それは。まだ私が売れてない時期に毎日路上に連れてってた相棒、的なやつなので…。」
阿「え……。」
「お恥ずかしながらそんな時もありまして。もう何年前かな…」
記憶を手繰り寄せる私に映る亮平くんはやけに真剣で。
阿「ねぇ、ファンとしてAにお願いがあるんだけど…」
こちらを見るその瞳に既視感を覚えたがやはりなにも思い出せなかった。
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ぴの(プロフ) - 更新楽しみにしています。 (9月21日 22時) (
レス) id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - ぴのさん» ぴのさん、コメントありがとうございます…！ゆっくり、ゆっくりと阿部ちゃんと近づけたく思ってますので温かく見守って頂けますと幸いです。 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: 0984604825 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - めちゃくちゃ、続ききになってます。 あべちゃんとヒロインの今後の関わりがたのしみです。 (9月21日 20時) (レス) @page14 id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼 | 作成日時：2023年9月18日 22時
