episode.31 ページ36
貴女side.
「うわー、超スランプ。なんも浮かばない。」
そんなこんなでユニットは続ける事になったけど相変わらず曲についての手がかりは何も思いつかない。お仕事を見学させてもらったり気分転換に喫茶店に行ったりするもののこれといって前進はなく。
亮平くんとはあれ以来見学以外で会ってはないので話す事もできず完全に行き詰まってしまっている。
部屋でパソコンやギターを片手に頭を抱え、ヘッドホンを下ろす。時間はあると言ったもののあと1ヶ月もすれば年も明けてしまうだろう。
「もう1回映像見直すか。」
コンサートDVDを息抜きがてらに5周。
何度も見た輝く彼らを眺める度に何か掴めそうだと机に向かうがあと一歩のところで見つからない。
手元にあるスマホを見れば1件のメッセージ。
【どう？曲進んでる？】
【とか言ったらプレッシャーになっちゃうかな。】
なんて気にかけてくれているんだろうか。
可愛らしいうさぎがぺこりと謝るスタンプにちょっと力が抜けた。大丈夫、って送ろうとすると続けざまに着信がきて慌ててボタンを押す。
「もしもし？」
阿『あ、出てくれた。大丈夫？』
「大丈夫」
阿『じゃないんでしょ？』
鋭く返されて隠し事もできないと思い正直に話してみると、意外にもあっさりそっかと返された。
阿『夕方、早めに仕事が終わるからどこかで会わない？ご飯でもいいし、この前の喫茶店行こっか？』
「亮平くん忙しいだろうから大丈夫だよ。なんとか1人でやってみる。」
阿『Aの大丈夫はあてにならないの。それにユニットなんだから、俺は2人で作りたいな。相談くらいしかのれないけど。……とか言いながらほんとはAに会いたいだけ。』
「ふふ、なにそれ。」
テレビの彼はファンのみんなにキラキラの笑顔で手を振っている。カメラに向かってピースをする亮平くんが眩しくて目を細めた。
阿『A？』
「あ…、ごめん、テレビ見てた。」
阿『おい。』
くすくす笑う声が電話越しに聞こえ現実に戻される。
「じゃあ、亮平くんに甘えて夕方会って少しお話ししませんか？喫茶店だといいフレーズが浮かんだ時困っちゃうので私のマンションで。撮られる心配もないし。」
阿『は？待ってそれどういう意味か分かってる？』
「どういう意味って…どういう意味ですか？」
阿『はぁぁ、ほんとに鈍いな…。』
深いため息のあと静かに分かった、と言われ電話を切られてしまい疑問が残るままテレビの続きを見つめた。
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ぴの(プロフ) - 更新楽しみにしています。 (9月21日 22時) (
レス) id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - ぴのさん» ぴのさん、コメントありがとうございます…！ゆっくり、ゆっくりと阿部ちゃんと近づけたく思ってますので温かく見守って頂けますと幸いです。 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: 0984604825 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - めちゃくちゃ、続ききになってます。 あべちゃんとヒロインの今後の関わりがたのしみです。 (9月21日 20時) (レス) @page14 id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼 | 作成日時：2023年9月18日 22時
