episode.29 ページ34
阿部side.
「俺超かっこわる。」
さり気なく(のつもりで)席を立ち店の外に出る。
扉を閉めたところで思い切りしゃがみ込んで頭を抱えた。
(つか何がファンとして好きだよ佐久間のやつ。普通にAのこと好きじゃんあんなのさ。)
佐久間と話す彼女の表情も嬉しそうな佐久間も、なんか…なんか嫌で。嫉妬しまくりの自分が恥ずかしくて外に出た。こんなになるくらいなら最初から来なきゃ良かったなんて今更後悔。
(これからAとユニットやるのにこんなんでいいのか…？)
佐久間との方が良かったのかな、とかマイナスな感情に支配されて慌てて首を横に振った。たとえ無理だったとしても、まだ諦めるには早い。
(せめてユニットが終わるまで自分なりに足掻こう。)
Aが佐久間の事をもし好きでつき合ったとして、それでも自分は笑えるかとか今はそんなのどうだっていい。
絶対諦める気なんてないし、佐久間に譲る気だってない。
(…よしっ！)
両手で頬をぺちっと叩いて気持ちを切り替え店に入る。
部屋の前に着くとなんとも騒がしい佐久間の声にドアにかけた手を止める。
佐「やたー！！大好きな神崎さんの連絡先！！」
貴「あはは…大好きだなんて、ありがとうございます。」
(大好きとか………なんだそれ。)
俺のいない所で知らない事がどんどん増えていく。
それでもめげずにドアを開けた。
「もー、騒がしいなぁ。何話してたの？」
貴「それは…その…。」
佐「んー？神崎さんと好きなアニメが一緒だったって盛り上がってたの。いぇーい！って。」
貴「い、いぇーい？」
「A完全に言わされてるじゃん。」
なんて笑って見せるも再びもやもやとした感情に支配される。
(はぐらかすって事はやっぱり俺には言いたくないやつね。)
佐「阿部ちゃん今日元気ないなぁ、ほら阿部ちゃんもいぇーい！！」
「なんでだよもう…。はい、いぇーい。」
無理やり笑顔を作ってハイタッチしている俺を心配そうに見つめるAを見て見ぬふりをして再び箸を進めた。
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ぴの(プロフ) - 更新楽しみにしています。 (9月21日 22時) (
レス) id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - ぴのさん» ぴのさん、コメントありがとうございます…！ゆっくり、ゆっくりと阿部ちゃんと近づけたく思ってますので温かく見守って頂けますと幸いです。 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: 0984604825 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - めちゃくちゃ、続ききになってます。 あべちゃんとヒロインの今後の関わりがたのしみです。 (9月21日 20時) (レス) @page14 id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼 | 作成日時：2023年9月18日 22時
