episode.26 ページ31
貴女side.
当然とでも言うかの様に後ろから腕を回してきた亮平くんの距離が近すぎて、真っ赤になった私を正面から見た佐久間さんの一言にざわつく。
目「神崎さん顔めっちゃ赤いね。」
向「阿部ちゃんもやるなぁ…。」
深「てかいつの間に名前呼び？びっくりだわ。」
各々の感想が更に私の頬の赤みを加速させる。ラウールくんなんか女の子みたいに両手を頬に添えてるがそれどころではない。
阿「だって俺とA仲良しだもんねー？」
ぎゅっと腕に力が入り更に距離が近くなる。さらりとした彼の髪が当たって余計に私の鼓動を加速させる。
少し顔を動かしただけで唇が触れてしまうそんな距離。誰にでも彼は平気でこういうことをやってのけてしまうのだろうかと考えたら少し寂しくなった。
岩「はいはいそこまで、そろそろ始めるよ。」
岩本さんのひと声でするりと首元から腕を離した亮平くんと岩本さんの元に集まる皆さん。赤い頬の熱が冷めないままにちらりと亮平くんを見やると、佐久間さんと何かを言い合ったあとふとこちらを向く。
"ごめんね"
と両手を合わせて口パクした彼がふわりと微笑む。
(なにそれ…あざと。)
なんて言えるはずもなく。
まだ冷めない熱を隠す様にノートに視線を落とした。
まもなくダンスレッスンが始まり皆さんのパフォーマンスを間近で見ることができるこの瞬間に目が離せなくなる。
真剣な表情の彼らがキレキレのダンスをする表情に魅了されて言葉も出ない。
(亮平くんのあんな表情、初めてみたな。)
いつもはあざといや可愛いという印象がずば抜けている彼の視線の向け方、ダンスのステップひとつとってもテレビ画面越しに見るのとは全然違くてついつい熱が入りぎゅっと拳を握りしめた。
(この人と私はユニット組むんだ…。)
なんて再認識したら、今以上に頑張らないといけないって気合を入れ直して夢中になってノートに向かう。ふと顔を上げるといつの間にか皆さんは休憩していた。
朝は亮平くんの突然の行動に驚いたが、その後は何もなく。やっぱり誰にでもする仲良しって証明的なやつかな、なんて自惚れた自分に釘を刺す。
そんな私へ今度はこっそり近づいてくるピンクの彼。
佐「朝言いそびれたんですけど今日の夜神崎さん予定空いてる？良かったらご飯でもと思いまして…あ、阿部ちゃんにバレると怖いから内緒でお願いしやす！！」
なんてよそよそしい佐久間さんに私でよければ、と答えれば彼はにこにこと笑っていた。
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ぴの(プロフ) - 更新楽しみにしています。 (9月21日 22時) (
レス) id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - ぴのさん» ぴのさん、コメントありがとうございます…！ゆっくり、ゆっくりと阿部ちゃんと近づけたく思ってますので温かく見守って頂けますと幸いです。 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: 0984604825 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - めちゃくちゃ、続ききになってます。 あべちゃんとヒロインの今後の関わりがたのしみです。 (9月21日 20時) (レス) @page14 id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼 | 作成日時：2023年9月18日 22時
