episode.24 ページ29
貴女side.
阿「あ、Aおはよ。」
と先に部屋にいた阿部さんに話しかけられ思考が止まる。
(え、いきなり呼び捨て？？待ってくださいこっちが耐えられないんだけど…。)
「お…おはよう、ございます。阿部さん。」
なんとか挨拶したもののどこからつっこめばいいのか分からなくて挙動不審な私に、ムッとした阿部さんが口を尖らせる。
阿「A、阿部さんじゃないでしょ。」
「………はい？」
阿「亮平、でしょ？」
「いやいやいやいや、待ってくださいよ。あれは阿部さんが…」
阿「お互い下の名前での方が仲良くなれると思うんだけどなぁ。」
「うっ……。」
阿「これはもう早々にユニット解散の危機かもしれない。」
テーブルを挟んで向かい合った私と阿部さん。
ジトっと見つめてくる阿部さんはどうやら譲る気はないらしい。面接でも受けているかのような緊張感に耐えられる筈もなく、折れたのは勿論私だ。
「………亮平さん。」
阿「亮平。」
「じゃあ、り…亮平くん……。」
阿「亮平、ね。」
「うぅ………亮平…くん、で勘弁してくださぃ…。」
阿「っ…、Aが可愛いからそれで手を打ちましょう。」
熱くなった顔を両手で覆って隠してみたもののあまり効果はなく。これから彼とこんな感じで仕事が進むのかと思うとドキドキしすぎて心臓が持つのかと危機感を覚える程には魅了されていて、その事を隠すように慌てて話を進めていく。
「曲はどうしましょうか。私なりに考えたんですけど、曲数に縛りはなさそうなのでユニット曲を1曲、それとメインはあ…っと、亮平くん、なので1曲は亮平くんのソロで合計2曲でどうでしょうか？
企画通りでいいなら私が曲を作ることになりますけれど…。」
阿「え、そんな豪華でいいの？俺的にはすっごく嬉しいんだけど…大変じゃない？負担になるなら1曲でも…。」
「幸い私は時間ありますし、私が亮平くんに作りたいなぁ…なんて。」
阿「なにそれ、めっちゃ嬉しいんだけど…無理はしないでね？」
心配そうに覗き込んでくる視線に不覚にもキュンとしてしまい、隠すように視線を逸らす。
色々な感情をぐっと抑えて提案なんですけど、と話を進めた。
「亮平くんのソロを作るにあたって、大丈夫ならでいいのですが、色々な亮平くんを知りたいのでご迷惑にならない程度に現場にお邪魔してもいいでしょうか？」
その提案の数日後あっさりOKの連絡をくれた亮平くんが、笑顔で撮ったメンバーの写真を送ってきてくれた。
episode.25→←episode.23.5(ちょっと番外編ちっくなものです)
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ぴの(プロフ) - 更新楽しみにしています。 (9月21日 22時) (
レス) id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - ぴのさん» ぴのさん、コメントありがとうございます…！ゆっくり、ゆっくりと阿部ちゃんと近づけたく思ってますので温かく見守って頂けますと幸いです。 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: 0984604825 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - めちゃくちゃ、続ききになってます。 あべちゃんとヒロインの今後の関わりがたのしみです。 (9月21日 20時) (レス) @page14 id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼 | 作成日時：2023年9月18日 22時
