episode.23.5(ちょっと番外編ちっくなものです) ページ28
阿部side.
(い、いきなり名前呼びとかがっつきすぎたか…？)
神崎さんと別れた後、次の仕事場へ。
その間にも考えるのはさっきのことばかり。驚いた彼女のほんのり赤く染まる頬を思い出して口元が緩む。明確な返事はもらえなかったものの、こくこくと頷いてくれたから了承してくれたってことだろう。
(つーか、勢いで言っちゃったけど下の名前で呼ぶのめっちゃ緊張するな。
なんで呼ぼうか…Aさん？Aちゃんとか……、A…とか。呼び捨ては絶対無理！俺が照れる！！)
ラ「あ、阿部ちゃーん。」
「いきなり呼び捨てはやっぱり引かれるかな…。」
ラ「阿部ちゃん？」
「いやでもそんくらい勢いつけないと…。」
ラ「おーい阿部ちゃーん。」
「うわ、びっくりした…。」
目前で手を振るラウールにびくりと肩を揺らす。自分の世界に入りすぎて全然気づかなくて本当にびっくりした。
目がキラキラしてるラウールに捕まった事に気づいて身構える。やはり最年少故に恋愛に憧れがあるのかなんか色々聞きたそうな顔してるなぁと他人事みたいに考えた。
ラ「Aちゃんのことになると阿部ちゃんめっちゃ乙女だよねぇー。いいなぁ…甘酸っぱい恋とか僕もしてみたーい。」
なんて甘えた感じが年相応で可愛らしく映る。
ラウールはやっぱこういう話好きなのは分かるけど、たいして面白い話ができるほど自分に余裕がないので心の中で小さく謝って誰かに話を振ろうとした所で、ふと引っかかった言葉に思い留まる。
「待って、ラウール今Aちゃん、って言った？それって神崎さんの事？」
ラ「……？そうだよ？」
「え、いつから？てかなんで？待って待って全然わかんないんだけど。」
テンパる俺をさぞ当然とでもいうかの様に見つめるラウール。メンバーでは正直佐久間だけが俺のライバルだと思ってたのにここに来てまさかの刺客に詰め寄るとちょっと引かれた。
ラ「この前番組収録が一緒で意気投合してAちゃん、って呼んでもいい？って聞いたらいいよーって。」
「マジか…。」
俺が今まで散々かかってここまでこじつけたのに、軽々と俺には高すぎたハードルを飛び越えてしまうラウールに敗北感。でもこんなところで負けてらんない、なんて年上としてのプライドが騒ぐ。
(くっ…最年少恐るべし。なら俺はラウールを越えるために絶対神崎さんのこと呼び捨てで呼ぶぞ。)
なんて意気込んで自宅に帰ってから必死に練習してた俺のことはきっと誰も知らない。
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ぴの(プロフ) - 更新楽しみにしています。 (9月21日 22時) (
レス) id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - ぴのさん» ぴのさん、コメントありがとうございます…！ゆっくり、ゆっくりと阿部ちゃんと近づけたく思ってますので温かく見守って頂けますと幸いです。 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: 0984604825 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - めちゃくちゃ、続ききになってます。 あべちゃんとヒロインの今後の関わりがたのしみです。 (9月21日 20時) (レス) @page14 id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼 | 作成日時：2023年9月18日 22時
