episode.21 ページ25
阿部side.
佐「ねぇねぇ阿部ちゃん！！神崎さんの新曲買った！？
あの曲やべぇよな、ほらレコーディング見学させてもらったやつ！やっぱアニメの主題歌だったか、このアニメも神作だし、いつか一緒に歌とかやってみてぇなぁ…。」
「買ったよ、すごいよかった。」
他のメンバーが撮影やらトイレやらで居なくなった控え室。
興奮気味な佐久間を横目に平静を装う俺はスマホをいじるフリ。佐久間にこんな事を思うのはお門違いだが、沸々と湧き上がる嫉妬心。
(そりゃ佐久間の方が先にハマってたけどさ…、俺の方が神崎さんと仲良いし。)
気にしていたわけじゃないけど、いつかの日にふっかに言われた様に主に音楽番組出演をする度遠回し(のつもり)に純粋に神崎さんの歌が好きとか共演してみたいとか言ってるものの未だに声がかかることはなく月日はどんどん過ぎていって。
当たり前だよな、なんて思いながらも焦る心を抑えられない。
初めて会った夏の日はとっくに終わり今じゃもう肌寒い。
(佐久間がもし共演したら？その後意気投合して連絡先交換して、つき合って……そんなの俺もう無理かも、詰んだ。)
唯一の抵抗で佐久間に彼女の連絡先を教えないのだって取られたくないから。だったら早く行動しろって自分とそんなの出来ないって自分の葛藤。
暗いままのスマホの画面をじっと見つめる口を尖らせた俺。そして唐突に割り込むピンク色。
佐「あーべーちゃん。これからまた仕事なのに顔が険しいぞー？眉間に皺が寄ってる。」
うりゃ、と眉間を触る佐久間と目が合えばにっと笑われた。
佐「さては恋の悩みだな！？この俺に任せろ、必ず大成功させてやる！」
「お前に言うと失敗しそう。」
むしろライバルはお前だよ、なんて言いたい気持ちをグッと堪えてそっぽを向く。佐久間も、メンバーも皆んな俺が神崎さんの事を好きなのは多分知ってる。でも彼女の事を好きと言っている佐久間には言いたくない。
佐「なーんかずっと勘違いしてるみたいだけど、俺は神崎さんの歌が好きなだけで阿部ちゃんの思う好きとは違うよ？」
俺のは推しとしての好きね、とか見透かされた様に言われなんだか恥ずかしくなって。
「……佐久間のくせにムカつく。」
ぎゃあぎゃあ反論してくる佐久間と格闘する俺をいつの間にか遠目で見つめるメンバー達。
深「おーい、阿部ちゃんマネージャーが呼んでんぞー。」
そう呼ばれた俺がマネージャーから言われたひと言に驚いて言葉を失うのはまた別の話。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 815人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴの(プロフ) - 更新楽しみにしています。 (9月21日 22時) (
レス) id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - ぴのさん» ぴのさん、コメントありがとうございます…！ゆっくり、ゆっくりと阿部ちゃんと近づけたく思ってますので温かく見守って頂けますと幸いです。 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: 0984604825 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - めちゃくちゃ、続ききになってます。 あべちゃんとヒロインの今後の関わりがたのしみです。 (9月21日 20時) (レス) @page14 id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：涼 | 作成日時：2023年9月18日 22時
