episode.18 ページ20
貴女side.
阿「んまぁ〜！」
心底美味しそうにもぐもぐとオムライスを食べる阿部さん。近くで仕事だったのかあれから数十分後には喫茶店についた阿部さんは当たり前だが深く帽子を被りメガネをかけて、いかにも変装してますという格好で現れた。
「やっぱり阿部さんて普段から可愛らしいんですね。」
阿「男は可愛いって言われても素直に喜べません。」
なんてムッとする姿もやっぱり可愛らしい。
こうして一緒にランチをしているのも夢見てるみたいだ。綺麗に平らげたお皿に手を合わせる阿部さんがいつもより静かな気がして沈黙が訪れる。
阿「…なんかプライベートで会うの初めてだからなに話していいのか分かんなくなっちゃった。」
「そうですね、ちょっと緊張します。」
目が合うと少し恥ずかしくてお互い困った様に笑う。
そんな時間が不思議と心地いい、なんて言ってしまえたらなんて楽だろうか。
阿「と、とりあえずデザート食べない？」
いつもよりそわそわしている様な阿部さんがメニューを開く姿が微笑ましく映って笑みが溢れる。
「阿部さん、もしかして緊張してます？」
阿「……してない。」
くすりと笑う私の視線の先で肩を揺らす阿部さんが帽子を深く被り直す。隠しきれていない耳がほんのり赤い。
そんな姿がとても可愛くてギュッと心が掴まれた感覚になる。あざとすぎる阿部さんに胸キュンが止まらない。
「ふふ。阿部さん、これ緊張がほぐれるおまじないです。」
あまりにも可愛すぎる阿部さんの両手をそっと包んでみせる。彼がいつかにやってくれたそれを今度は私が無意識にやっていた。
「……あっ、ごめんなさい、阿部さんが可愛すぎてつい…。」
無意識にやってしまったそれに気づき慌てて手を離す。
そもそも年上の男性に可愛いなんて失礼だし、なんなら人気アイドルだし週刊誌に撮られたりとかしたらどうするんだとか私みたいな奴にこんなことされたら迷惑だろとか、無意識とはいえ浅はかなことをしてしまったことを恥じて後悔した私は下を向いた。
阿「もう…だからそういうのがズルいんだって…。」
小声で何かを言った阿部さんの言葉は私の耳には届かず。
代わりに聞こえたのは少し怒った彼の声。
阿「俺にはいいけど、あんまり他の人にしちゃダメだよ。勘違いするからね？」
俺もちょっと勘違いしちゃった、なんてつけ足して言うから。
『阿部さんになら勘違いしてもらいたかった』
なんて言いそうになってギュッと口を結んだ。
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ぴの(プロフ) - 更新楽しみにしています。 (9月21日 22時) (
レス) id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - ぴのさん» ぴのさん、コメントありがとうございます…！ゆっくり、ゆっくりと阿部ちゃんと近づけたく思ってますので温かく見守って頂けますと幸いです。 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: 0984604825 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - めちゃくちゃ、続ききになってます。 あべちゃんとヒロインの今後の関わりがたのしみです。 (9月21日 20時) (レス) @page14 id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼 | 作成日時：2023年9月18日 22時
