episode.9 ページ11
貴女side.
「ここは…？」
先に行ったマネージャーを追いかけるもテレビのスタジオに行く機会はない私がいくら回っても目当ての場所に着くことはなく。
珍しくテレビ出演のオファーを受けて訪れたがマネージャーとはぐれて迷子、なんてこの歳になって恥ずかしすぎる。幸い時間に余裕はあるため急ぐ必要はないけれど、このまま遅刻するわけにはいかない。
「どうしよう。」
マネージャーに電話をかけても出てくれない。仕方ないもう一度回るか…とため息をついて歩き出す。
？「あれ…？確か…この前の」
不意に後ろから声をかけられ振り返ると長身でスタイル抜群、大人っぽい雰囲気のある要するにイケメン。
「目黒さん？」
ぺこりと軽く頭を下げてきた目黒さんにお辞儀を返すとなんともいえない空気が流れる。目黒さんとはほとんど話してないからなにを話していいのか、と悶々としている私をジッと見つめる目黒さん。
目「えと…阿部ちゃんが言ってた、神崎さん…でしたっけ？」
「はい…神崎です。」
阿部さんが言っていた、が若干引っかかったが聞かなかったことにする。
目「…なんか困ってます？」
唐突にかけられた言葉に押し黙る私を怪訝そうに見つめる彼の瞳に観念して口を開いた。
「実は…お恥ずかしながら道に迷ってしまいまして、ですね。」
このスタジオなんですけど、とスマホを見せる私と覗き込む目黒さん。意外と距離が近いような気もするが気にしたら負けだとあえて言わずに黙っておいた。
目「あぁ、ここなら「めめ？」……あ。」
遮る声の主に2人して視線を向けるとそこにいたのは、
目「阿部ちゃん、どうしたの？」
阿「どうしたのって、めめの事探してたんだよ。そろそろめめの番なのにいないから。」
目「あー…なるほど。じゃ神崎さんの案内は阿部ちゃん、頼んだ！」
阿「はぁ？え、どゆこと？？」
道に迷ったんだって、と何故か嬉しそうにその場を去っていく目黒さんを見つめ途方に暮れる私と阿部さん。
また会えるなんて…と思うのも束の間、ちらりと盗み見た阿部さんとばっちり目が合ってしまって慌てて逸らした。
「目黒さんはあぁ言ってましたけど、大丈夫です。自分でなんとかしますんで！」
苦し紛れに紡いだ言葉は優しい笑みで遮られ。
阿「ふふ、俺まだ時間あるしスタジオまで一緒に行こっか。」
『あ、これは俺が勝手に神崎さんと一緒に行きたいだけだからね？』
なんてキラキラした笑顔で言われてしまい断ることも憚られた。
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ぴの(プロフ) - 更新楽しみにしています。 (9月21日 22時) (
レス) id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - ぴのさん» ぴのさん、コメントありがとうございます…！ゆっくり、ゆっくりと阿部ちゃんと近づけたく思ってますので温かく見守って頂けますと幸いです。 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: 0984604825 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - めちゃくちゃ、続ききになってます。 あべちゃんとヒロインの今後の関わりがたのしみです。 (9月21日 20時) (レス) @page14 id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼 | 作成日時：2023年9月18日 22時
