蒼空の下で２ (ページ41)

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「え？なんで帰るの？」
先輩は俺に振り向くこともなく店を出た。

先輩に追いつくために、支払いをささっと済ませて店を出る。
先輩を追いかけようと走ったら、先輩も走って逃げていく。
なんで？なんで逃げるの？
ずっと先輩は逃げ続けるけど、現役サッカー部ナメてもらっちゃ困るね。

「先輩、なんで逃げるの？」
「…」
「俺の誘い乗ってくれたじゃん。」
「乗ったのは乗ったけど。」
「じゃあなんで？先輩楽しそうにしてた。」
「それは、大津くんの思い込みじゃないの？」
「それはないってわかる。」
「…嫌なの。」
「何が？」
「ああやって勘違いされること。
大津くんと一緒に居ればファンがうるさいもん。」
「でもそれは、」

「大津くんがモテない男だったらよかったのに。」
「え？」
「そしたら、人目も気にせずに二人で過ごせるのに。」
「先輩、それって。」

俺がじっと先輩の目を見つめると、先輩は照れたように赤くなって
"そういうこと"と小さく呟いた。

こんどはどこか。
だれもいないばしょへいこう。
あなたとふたりきりで
あなたにあいたいよ。