蒼空の下で２ (ページ22)

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年下だから、何ですか？─Ｋ.Ｓ─ ページ22

ドイツのカフェテリア
私の所に遊びに来た友達2人を観光名所に案内した後だった

「A、こっち来て何年だっけ？」
「大学出てからだから…4年、かな。」

「日本に戻ろうとか思わないの？」
「うん。こっち楽しいもん。」

そう答えると、友人のひとりが私の顔を覗き込んで聞いてきた。
「もしかして、男？」
「…」

思わず黙ってしまう。
でも、黙ってしまうのは仕方ないの。

私の彼氏は特別な職業で、しかも3つも年下。
そんな話をしたら、きっと二人は驚くんだろうなぁ。

「結婚するの？」
「うーん…」
「この年なら結婚前提じゃなきゃおかしくない？」

私はもういい年だし、結婚だってしていてもおかしくない。
友達のひとりは結婚しているし、
もうひとりも結婚前提の付き合いをしている。

だけど私は…どうなんだろう。
彼の仕事の大変さは分かる。
だからこそ焦っても意味はないし、それに結婚を考えているのかも分からない。

「こっちに居るんだよね？同い年？」
「年下。」

「年下！？私には無理だわ笑
いくつ下なの？」
「…3つ。」

「3つも！？」
「…うん。」

ほら、驚いた。
やっぱり3歳差って驚かれるのかなぁ。

「その彼氏、不安じゃない？
ただでさえ3つも上なのに、A大人っぽいから。」
「そうなのかな…」

「私の勝手な考えだけど頼りなさそう。
Aに年下なんて、ねぇ。」

溜め息をつく友達。
つられて暗いムードになると、私たちのテーブルにひとりの男性が近づいて来た。

私たちはその人を見ると、同時に驚いた。
友達2人から見ればテレビの中のサッカー選手、
私から見れば愛しい年下の彼氏がそこに居たんだから。

私を見て微笑むと、真司は2人にこう言ったんだ。

「俺、年下やけど
Aのことめっちゃ愛してますよ。」

と。