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片手で私を引き寄せて、もう片方の手で私の手を握ってくれる。
麻也に包まれている幸せな時間のはずなのに、
私の涙は止まらないままだ。
麻也は私の頭に頬擦りをしてくる。
それが心地良かった。
お願い。
私を置いていかないで。
私が泣いたりするから、麻也に呆れられるんじゃないかって。
「まやっ…あの、ね。」
「落ち着いてからでいいよ。
俺ここにいるから。」
そう言って麻也は優しく微笑んでくれる。
そんな麻也に甘えて、私は麻也の胸に顔を埋めた。
優しく、そしてきつく抱きしめてくれる。
厚い胸板、筋肉のついた腕。
全てに包まれることが嬉しくて。
私は子供みたいに、麻也の腕の中で泣いたんだ。
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作者名：アルパカ | 作成日時：2013年2月15日 21時
