【序章 第三話】 rose ページ3
気づけば、知らない場所にいた。
オレンジ色の照明が部屋を明るく照らし、
手首にはまるで縛り付けるような赤いリボン。
私の銀髪がよく映えるような、黒色を基調としたゴスロリドレス。
そして見えない糸で私を縛り続ける高級そうな椅子。
そして私の目の前には、今にでも泣きそうな笑顔の人間の女の子。
そして聞き取りにくいが、きっと英語で喋っているのだろう。
隣にいる父であろう人に、「Thank you」と言っている......はずだ。
そして私に向かって「Rose!Rose!」と叫んでいる。
...なんのことだろか。
Roseというのは薔薇のことだろう。
......―――『スバルお兄ちゃん』......
まずい。
泣きそうな顔をしていたのか、
女の子は「Rose?」と不思議そうに尋ねてきた。
そうか。
【rose】というのは私の名前なのだろう。
よく見れば女の子の来ている服には薔薇の刺繍がたくさんある。
薔薇が好きだから私は【rose】という名前なのだろう。
なんとも子どもらしい...。
...そうか...私は売られたのか。
おそらく捨てられて。
...やっぱり、邪魔だったかな...?迷惑だったかな?
いつの間にか私は泣いていた。
――これは何の涙だろう。
捨てられて悲しい涙か。
捨てた家族への恨みの涙か。
それとも、
兄に裏切られた涙だろうか。
でもそんなのもうどうでもよかった。
まずこの涙を...【怒り】を目の前の人間にぶつけてやろうか。
それとも世界を壊してしまおうか。
――私が狂ったのはきっとここからだったのだろう
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*SSU*(SM) - 2度見しちゃいましたよ〜♪ (2020年4月25日 0時) (レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
SM - 最高〜〜! (2020年4月6日 19時) (レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
氷室ルミ - バンパイアではなくヴァンパイアです。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 08909c4050 (このIDを非表示/違反報告)
理子 - 坂巻になってますよ! (2017年8月5日 2時) (レス) id: b6c073acda (このIDを非表示/違反報告)
ルリア - 続きを期待してます。 (2017年2月11日 23時) (レス) id: 261f2ab2b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姪羅 | 作成日時:2016年10月15日 15時