【二章 第三話】 大きな旅 ページ15
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
〜Aside〜
髪をなびかせる心地のいい風を受けながら、
私は少しづつ昇っていく太陽を見つめていた。
肌がチリチリと焼けていくのを横目で見て、ふと思いついた。
――【お兄ちゃん】に会いに行こう。
なぜ突然こんなことを思ったのかはわからない。
単に会いたかったのかも知れない。
【ここ】にいてはいけないと思ったのかもしれない。
本当に思い付きだった。
近くから知らない足音が聞こえてくる。
さっき怖がらせてしまった子だろう。
私は、不思議と少し軽くなったからだを地平線から離した。
――飛ぶのは久しぶりだ。
気づけば、【母様】に怒られてから飛んでなんていなかった。
女の子が――いや、私にとっては【お姉ちゃん】。
お姉ちゃんが驚く気配がする。
当然だよね。
人が飛ぶなんて。
でも、私は気にしない。
――少しだけ振り返って、私は笑顔を見せた。
今の私ができる最高の笑顔を。
――ルキ君たちはきっとわかってくれる。
そう思って、私は大きな旅に出たのだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
〜ユイside〜
突然、探していた女の子が飛んで行ってしまった。
彼女はヴァンパイアで、アヤト君たちも、たまあに飛んだりもしていた。
だからそこまで驚くことはなかった。
でも、どんどん小さくなっていく背中を見ながら、私は動けずにいた。
私は、彼女が見せた笑顔に、何の【意味】があるのかがわからなかった。
そしてそれは、今の私には、
理解できないものだった――。
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*SSU*(SM) - 2度見しちゃいましたよ〜♪ (2020年4月25日 0時) (レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
SM - 最高〜〜! (2020年4月6日 19時) (レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
氷室ルミ - バンパイアではなくヴァンパイアです。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 08909c4050 (このIDを非表示/違反報告)
理子 - 坂巻になってますよ! (2017年8月5日 2時) (レス) id: b6c073acda (このIDを非表示/違反報告)
ルリア - 続きを期待してます。 (2017年2月11日 23時) (レス) id: 261f2ab2b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姪羅 | 作成日時:2016年10月15日 15時