【夢小説】白薔薇の妹【DIABOLIK LOVERS】 (ページ12)

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【一章　第八話】　声ページ12

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～ユイside～

波のように引いていく人の中、

凛とした声が廊下に響いた。

『大変お騒がせしました！』

まるで面接でも受けているような感じでAは深く頭を下げた。

シュウ「別に兄弟に謝る必要ないだろ」

少しだけ呆れたような声でつぶやいた。

カナト「えぇ、そうですね。なんで謝ってるんですか？」

『だ、だって...いきなり現れて抱き着いて、泣き出して...迷惑だったかなって』

下を向き、母親に叱られた猫のような姿に、少しだけ笑みがこぼれる。

アヤト「別に迷惑なんて思ってねーよ。それよりなんでここにいるのかが知りたい」

『そ、そうだよね。ごめんね。......なんて話せばいいのかな...？」

？「そのことに関しては俺から話そう」

話を折るように暗闇から靴音とともに現れたのは、

黒色の髪の見たことない人だった。

アヤト「誰だてめぇ。」

喧嘩を売るような目つきでアヤト君は吐き捨てた。

？「まぁそう威嚇するな。そこの【イヴ】をもらいに来ただけだ。」

そういいながら私を指さした。

...イヴ？私のこと？不思議に思っていると突然――体が浮き上がった。

ユイ「っきゃ！」

私は小さな悲鳴を上げ、手足をばたつかせた。

少しだけ遠くに、さっきまで自分が立っていた床が見える。

誰かに担がれたようだ。

？「うるっせー！静かにしてろ！」

さっきとは違う面倒くさそうな声が頭上からした。

若干巻き舌口調の人の顔は私からは見えないけれど、

ダークオレンジ色の髪の男の人だった。

アヤト「てめぇ！そいつに何する気だ！さっさと下ろしやがれ！」

アヤト君の罵声が背後で聞こえる。

？「さっき言ったでしょ～？その子をもらうって」

暴言を軽い口調で受け流す声も私は知らない。

気づけば、知らない人に囲まれていた。

そして目の前には、

暗闇を背景とし立つ、存在感を漂わせる先ほどの銀髪少女がいた。

そして少女は少しだけ背伸びをして、私の頭をやさしくなでた。

『ごめんね。こんなことに巻き込んで』

とても優しい声を聞いた後、私の意識は途切れた――。