【夢小説】 白薔薇の妹 【DIABOLIK LOVERS】

【一章　第七話】　笑顔 ページ11

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〜ルキside〜

【妹】と、【本当の兄妹】が遠くで笑いあっている。


周りの視線なんて気にもせず抱き合い、

まるであそこだけ、違う世界のようだ。


コウ「Aってさ。
　 俺たちの前で......あんな顔したことあったっけ？」


声色が、水面に落ちた雫のような声だった。


子どものころから同じ苦しみを味わい、

【本当の妹】のようのに――【家族】として接してきたからわかる。


俺たちはおんなじことを考えている。

認めたくないが、手に取るようにわかる。


――Aが、いなくなってしまうのではないかと。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

〜Aside〜


まるで宙に浮いているみたいだ。

重力が無くなって、どこまでも飛んでいけそうな気がする。

このままいつまでもこうして、この暖かさを全身で感じていたい。


頭をなでる手が愛おしい。

【もう離さない】と知らないうちにたくましくなった腕が叫んでいるのが聞こえる。


顔を上げると、

真紅色の濡れた瞳が私を見つめていた。

まるで私の心が透かし、見抜いているようだ。


私はだんだんおかしく思えてきて、

お兄ちゃんを見ながら笑った。


一瞬不思議そうな顔をしたが、

やがて彼も、【何かが吹っ切れた】ように笑い出した。


――うん。やっぱりお兄ちゃんに、泣いている顔は似合わないや。


私は笑いながら、『お兄ちゃん』の顔を見つめていた。

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