【夢小説】 白薔薇の妹 【DIABOLIK LOVERS】

【序章　第二話】　近づく陰 ページ2

当時、純血の女ヴァンパイアは珍しかった。


今ではヴァンパイアのお祓いなどの方が多いが、

昔では退治のほうが多かった。


心臓を刺され、【永遠の命】を失う。

ヴァンパイアの中では【最高の祝福】とされているが、

同じ種族の仲間が消えていくことに違いはない。


他の種族と恋に堕ちた者や、

同じ種族同士でも、

女の子が生まれる確率は人間と同じように低い。


そんな理由で純血の女バンパイアは珍しかった。



――だからこそ私は狙われたのだ


純血の子孫を残そうとする者

美しい容姿に魅了される者

売り飛ばす者



「純血の女ヴァンパイアがいる」という噂を聞きつけ、

様々な種族が来た。



来るたびに母様や、兄弟たちが守ってくれた。


それでも守りれず、拉致されることも少なくはなかった。




――だから私は苦しかった。




確かに母様や兄弟たちに守ってもらえてとてもうれしい。




でも、



―――私がいつまでもここにいては、迷惑じゃないだろうか。




いつしかそう考えるようになっていた。




私がそういうたびにスバルお兄ちゃんは、



「お前にはなんの罪もねぇんだ！」


と怒ってくれた。



そしていつもそのあとに


「だからそんなこと思うな。俺は、お前を守れてうれしいよ」


とても優しく、そして穏やかな声で言い、いつも抱きしめてくれた。





だからホットとしていたのだ。




【私の居場所】がいつまでもここにあると。

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