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巨人 ページ32

今から遥か昔

まだこの世に
物質しか存在しなかった頃


有象無象の「何か」が生じては
消えを繰り返し



やがて
あるものが生き残った










それを生命と呼ぶ







ジ「結果的に生命が残った理由は
生命が「増える」という性質を持っていたからだ

増えるために生命は姿形を変えてゆき
あらゆる環境に適応し今日の我々に至る


より多く
より広く
より豊かに




つまり
生きる目的とは「増える」ことだ



ア「…」


ジ「この砂も石ころも、水も増えようとはしない
だが、生命は今日も増えようと必死だ

何せ、死や種の絶滅は増える目的に反する
そのために恐怖という罰則があり



ユミル(あの子)も、その苦しみから逃れようと必死だった




より強く、より巨大な
不死身の体を生み出し

そして死さえ存在しない世界へと
彼女は逃れた…」


ア「それが始祖ユミル…

ここが「死の存在しない世界」…
だとしたら、ユミルの目的は一体…なんですか?」



ジ「…俺もここで気の遠くなる時間をかけて
彼女を理解しようとしたよ

これだけの力を持っていながらフリッツ王に逆らうことができなかった…
それがなぜなのか…


二千年もの間…ここに留まり
フリッツ王に従い続けた理由




何かの…未練を残していたことは確かだが…
それがエレンには理解できて

俺には理解できなかった…
だからユミルは…エレンについた…」


ア「…」

ジ「…親父は、エレンとAちゃんの望みが叶うと言っていた…
Aちゃんにも、いや…


ユミルの友人である"A"にも
ユミルの未練が何か理解できているんだろう…」



ア「…ッ教えてください!!
ここから…何か外の世界に戻る方法はありませんか!?」


ジ「さぁねぇ…もう無理だと思うけど…」

ア「僕は何も諦めていません」



ジ「……どうして…」

ア「それは…」


ジ「また増えるためか?

種を存続させることが君にとってそんなに大事なことなのか?」

ア「!」



ジ「今起きていることは…
恐怖に支配された生命の惨状と言える

まったく無意味な生命活動がもたらした恐怖のな…」





ア「ッ仲間が…戦っているんです!!

今ならまだ多くの人々を恐怖から救えるから…!!
恐怖と戦っているんです!!



ジ「なぜ負けちゃダメなんだ…?
生きているということは…いずれ死ぬということだろ?」


ア「ッ」


ジ「案外…事切れる前は
ほっとするかもな…


何の意味があるのかもわからず…
ただ増えるためだけに…踊らされる日々を終えて…



これで自由になったって…」

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ああ - お久しぶりです!一番最近にコメントをして約3ヶ月程経ったのですが、更新が止まっている間も何度も読み返して日々の疲れを癒やしてました 冬になり、寒さが厳しくなってきましたが体調に気をつけて更新頑張ってください!お話更新されるまでいつまでも待ち続けます! (2月23日 13時) (レス) id: b64360ae0d (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - お久しぶりです、元気にしてましたか?実は話の続きが気になったので最初から読み返していました。お体に気を付けてお過ごしください。 (2月3日 19時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 初めまして。お忙しい中更新してくださってありがとうございます。通勤の移動中や会社の昼休憩の時に読むのが物凄く楽しいです。寒さが厳しくなってきたので、暖かくして過ごして下さい。次のお話も楽しみにしています。 (11月27日 22時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
詩優(プロフ) - 忙しい中空き時間にこのお話を読むのが楽しみな時間です。寒くなってまいりました。風邪やインフルエンザなど、体調不良にお気をつけてお過ごしください。 (11月22日 20時) (レス) id: 9ae56efafa (このIDを非表示/違反報告)
ア。(プロフ) - 高橋さん» こんなに、お優しい方々が、私のお話を読んでくれているというだけで嬉しいです😭日々の疲れとか、人間関係とか、そういうのから少しでも解放されるように、このお話更新するので、気が向いたら読みにきていただけたら嬉しいです!お体に気をつけてください🙇 (11月12日 23時) (レス) id: ba7135341c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ア。 | 作成日時:2023年11月5日 3時

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