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彼と歩く廊下はとてつもなく長い。
私達1年生の教室は四階で、周りを見渡せば
彼の言う通り先輩たちしかいなかった。
紫「階段きついね〜」
「そうだね」
紫「ね、まだ緊張してない?笑
俺たち同じ学年なんだからさ、仲良く!」
私の目を真っ直ぐ捉えて離さない。
そのキラキラな笑顔が眩しい。
「うん、!」
やっとのことで四階まで上ると一気に人だかりが。
張り出されているクラス名簿の周りにたくさんの
人が集まっていた。
人混みが苦手な私は少し足がすくんでしまった。
紫「大丈夫、?ちょっと、空いてから見よっか」
「、、ありがとう、」
私に気を遣ってくれたのか、階段の端で少し休憩。
四階まで階段を登った疲れが今になって溢れてくる。
ふぅ、とため息をつけば、私のとなりで不思議そうに
見つめてくる彼。
綺麗な顔に見つめられるものだから恥ずかしくなって
ピシャリとその視線を遮った。
紫「なんで、逸らすの」
「え、?」
紫「なんですぐ目逸らすの笑」
だって、かっこいいから、
___なんて、ほぼ初対面の人に言える訳なくて、
「ご、ごめん」
また貴方とぶつかり合う視線を逸らすことしか
出来ない。
紫「ちょっと空いてきたね、見に行く?」
「ぁ、うん」
名簿の前に集まっていた人は少なくなって、
遠くからでも見えるようになっていた。
お願い、紫耀くんと一緒でありますように。
____
「、、、、、、、あった。」
紫「え、まじ!?俺のないんだけど〜、、」
「違う、、紫耀くんの、」
紫「え、あ、俺の?」
「私達、一緒!!」
紫「え、、マジで!?」
どこどこ、と名簿をがっちり見つめる君の横顔が
あまりに綺麗で見つめちゃってたのは内緒。
紫「4組じゃん!!!」
平野紫耀
名簿に書かれたその文字を指さしながら、
ニコニコ笑う君に釣られて私も思わず、ふっ、と
笑ってしまった。
紫「平野と七瀬だから近いじゃん!」
「ほんとだ、」
奇跡的に座席はなんと、前後同士。
友達作りが苦手な私はそれだけですごく安心した。
紫「ほら!いこ!」
ぐいぐい私の手を引っ張って走り出す彼は無邪気で
戸惑いつつ着いていく。
捕まれている腕が熱い。
胸の鼓動がドクドク、紫耀くんに聞こえてしまう
のではと心配になるくらいうるさい。
顔を真っ赤にしながら入った教室は思ったより
騒がしくて身震い。
捕まれた腕が解放されたと思えば、1人の男子が
こちらをじっと見ていた。
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作者名:憂流。 | 作成日時:2024年1月1日 16時