強引な彼 ページ41
『どこか行きたい場所でもあるの？』
キ「…部屋」
部屋？なんで部屋？
あー、もしかしてさっきクイーンが言ってたこと
気にしてるのかな。
『アルベル…私の手作りお菓子食べたいんでしょ？』
キ「は？」
『安心して。この中にも入ってるけどアルベルにはちゃんと別で用意してあるから』
バスケットをぽんぽん叩きながらそう言うと
マスク越しの赤い瞳が呆れたように私を見下ろす。
キ「お前は相変わらず鈍いな。ガキか」
『はぁ？ガキじゃないっ』
キ「部屋でやることなんてひとつだろ」
『え…あっ、…そういう意味？』
全てを理解した瞬間ぽっと顔に熱が集まる。
なにそれ…
アルベルからのお誘いなんてニヤけちゃうじゃん。
『お望み通り私が一晩中添い寝してあげるね』
キ「気色悪りぃ顔で寄るな」
『そんなこと言ってほんとは嬉しいくせに。よし、そうと決まればさっそく。
あ、いや…もう2,3時間くらいヤマトのこと見ててもいい？』
キ「置いてくぞ」
『でも…』
キ「はぁ…また明日連れてきてやる。それでいいな？」
そう言って返事を聞く前に
私の体を横抱きにするアルベル。
あれ…なんかめずらしく余裕ない？
いつもなら「仕方ねぇな」って
嫌々ながらも付き合ってくれるのに。
バサっと聞こえる翼の音。
その音と同時に浮遊感に包まれる。
『途中で屋根裏部屋に寄ってね。これ置いていくから』
キ「………」
やっぱり…無視するあたり余裕の無さが垣間見える。
こういう時のアルベルってちょっと強引だ。
早く飛べば私が怖がるのを知ってるくせに
猛スピードで空を翔けていく。
まるで一秒でも早く
私とふたりきりになりたいみたいに。
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まあや(プロフ) - 箱さん» 箱さん、この作品を読んでくださりあたたかいコメントまでありがとうございます。とても励みになります！ (2023年1月17日 0時) (
レス) id: 6ddb893b1b (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年1月16日 15時) (レス) @page50 id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Maaya | 作成日時：2022年9月29日 15時
