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内 「 ......Aさん、」
隣にいる颯太は、心配そうな、それでいてどこか悔しそうな表情をしてる。
わかるよ、どうしたらいいかわかんないんだよな。
Aさんの事、助けたいって、そう思うけど、
俺達に何が出来るんだろうって、
『 ...今、仕事中だから、もう切るね、』
どうしていいか分からなくて、立ち尽くしていたら、電話を終えたAさんが階段を上がってくる音がする。
やばいと思った時には驚いた表情のAさんと目が合ってしまった。
『 あれ、湧くん、内村くん、なんでこんなところに？』
元 「 あ、いや、えっと、 」
内 「 Aさん、大丈夫なの？ 」
『 ...え？』
元 「 おい、颯太...！ 」
内 「 ごめんね、電話してるの聞いちゃった... 」
『 …… 』
聞いてたって正直に言おうか迷ってたら、
こういう時、颯太ってまっすぐだから嘘つけないんだよな、
元 「 ごめん、盗み聞きとか良くないってわかってたけど、気になっちゃって、 」
『 ...大丈夫だよ！ごめんね変なとこ聞かれちゃったなぁ...ほんと、気にしないで！ 』
大丈夫...な訳ないのに、無理やり笑顔で答えるAさん。
内 「 ...ねぇ、Aさん、勘違いだったらそれでいいんだけど、その頬っぺたの傷、関係ある？ 」
『 ......あ、 』
元 「 ...は？そんなの、警察に行った方が､！」
『 、大丈夫だからっ！！ 』
『 みんなには関係ないの、私の問題だから、...ほんとに、大丈夫だから... 』
内 「 ...… 」
元 「 ...でも、 」
『 お願いだから...みんなを巻き込みたくないの、...ごめんね、 』
内 「 Aさんっ、 」
酷く辛そうな顔をして、俺たちに背を向けて走って行くAさんを追いかける事が出来なかった。
どうすれば、助けてあげられる？
いつも、してもらってばかりで、何も返してあげられなくて、
内 「 ...湧、情けないね、俺たち、 」
元 「 ...だな、 」
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作者名：あい | 作成日時：2023年3月23日 2時
