愛をください。～another story (ページ10)

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週末の賑わう街並みを

二人して並んで歩いて

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ぶつかりそうになる人を避けるように

Aは自然に体を寄せた

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ぎゅっと腕に抱きついて

歩くAを

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端から見たら

たぶん

守るように見えているのかも知れないけど

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すれ違った男が

振り返ってまた歩き出す

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雅紀「A！やっぱ、映画にしない？」

A「……なんで？観たいの？」

雅紀「いやっ！ちょっと座りたいな～～～……つって？」

A「………？」

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雅紀「もうちょっと、落ち着ける場所がよくない？」

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言い訳臭い言葉を並べて

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人目を避けるような場所へと

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男の目のある場所からAを連れ出したかった

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だから嫌だったんだ

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Aといるのは嫌いじゃない

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でも

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他の男の目がある場所だけは

一緒にいるとその視線ばかりが気になってしまうから

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たぶん

Aは自分では気づいていない

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子供の頃から

誰かの目を引く

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それが普通だったAには

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俺がそんなことを気にしてることさえ

気づいていないんだ

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『あんなのとやれたら。』

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いつかの竹中の言葉が

脳裏に蘇る

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俺も出会ったとき同じ事を思っていたように

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他の男だって

同様に

同じことを思うに違いないと

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そんな目で見られているかと思うと

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やり切れない思いでいっぱいだった

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