愛をください。～another story (ページ9)

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週末

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いつも以上に服もオシャレして

髪の毛を巻いたAを見て

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胸の奥には

どす黒い感情だけが顔を出し始める

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鏡の前に立つAの後ろに立って

映り込んだAをじっと見つめていた

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A「どうしたの？」

雅紀「……いや？随分オシャレしてんね？」

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A「せっかくのデートだからね？綺麗にしてたいじゃない？」

雅紀「そう………。」

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Aの巻いた髪の毛を両手ですくって

そこから覗く首筋に

強く吸い付いた

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A「なにしてんの？くすぐったいから。」

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くすくすクスクス

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Aは笑う

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首筋からうなじまで

唇を何度も吸いつけて這わせた

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A「……雅紀？」

雅紀「うん……？」

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A「出かけ……ないの？」

雅紀「……出かけるよ？もうちょっとしたら……。」

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A「……ん……。」

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髪の毛で隠れる場所に

いくつもの自分の証を残す

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それは

自分を抑えるためのものと

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そして

Aへの独占欲がそうさせていた

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肩越しに振り向かせたAに

深く唇を合わせた

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ぬるりと滑り込ませた舌先に

温かいAの舌が絡む

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こんな事で自分を誤魔化してるなんて

重症だって思う

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唇を離して

おでこをコツンと合わせたら

Aの黒い瞳が

すぐ間近に見えて

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着ていたＴシャツの胸を

ぎゅっと掴まえた

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雅紀「続き……帰ってから、ね？」

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A「……うん。」

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ほんの数時間

我慢すればいいだけの話

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Aを連れて出歩くのは

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好きじゃないけれど

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