…34…『したたかな女』 ページ34
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イタリアンレストランで
偶然に出会った
Aの友人だという美和さん
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彼女と会ってからAの態度は一変していた
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A「高校の時の同級生なの。」
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それだけ言って
きゅっと口を結んだ
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彼女と何かあったのは明らかで
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それが
今さっきなのか
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それとも
以前からのものなのか
分からないけど
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美和「今度、お食事でもどうかしらって話ね？
ちょうど旦那様もいることだし、お話進めておかない？」
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『夫婦で一緒に』
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『旦那様も』
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彼女はやけにその言葉を強調する
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夫婦じゃないとAが断言しないのは
彼女がAに見せびらかせた
『結婚』という名のステータスに
負けを認めたくないだけだろう
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俺は
結婚が
全て幸せなわけじゃないって思う
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でも
結局は、俺がAに
それを押しつけてるだけなのかも知れない
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結婚なんてしなくても
今が幸せなんだと
Aに分かってもらえれば
それでいいと思っていたから
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ほんの些細な食い違いが
大きな溝になるなんて
思ってもいなかったんだ
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『結婚は人生の墓場』
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その考えは
今も変えられない
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Aが望んだとしても
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俺は
先が見えるような人生を
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離婚を前提にした結婚生活を
Aと過ごしたくは無かったんだ
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作者名：四葉（よつば）
作成日時：2013年1月3日 22時
