愛をください。～another story (ページ32)

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一緒に出かけたイタリアンのお店

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それなのに

俺の中では

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早く食って早く連れて帰りたい

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そんな思いばかりだった

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綺麗に着飾ったAは

俺だけの手の中にあればいい

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誰の目にも

触れなくていいんだ

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『怖いよ、相葉さん。』

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そう言ったニノの言葉が脳裏をかすめるけれど

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俺は

Aを自由にさせているようで

一番縛り付けているのかも知れない

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A「ねぇ……食べ終えたら、どっか連れてって？」

雅紀「……え？」

A「二人でせっかく出たんだし、もっと雅紀と出かけたいから。」

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一番恐れていた言葉を

Aが言う

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動揺ばかりが体中を襲う

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俺は

Aが普通の恋人同士のように

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一緒に出かけて

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一緒に楽しんで

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一緒に色んなものを見て

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一緒にお互いの気持ちを深める

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そんな風になりたいって

ちゃんと知ってる

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知ってて俺のワガママで

Aに我慢ばかりさせてるんだ

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今だって

どう言い訳しようか

そればかり考えてる

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食事だって

味なんて分からないほど

自分を誤魔化すためにがっついて食ってたんだから

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