愛をください。～another story (ページ31)

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ニノに

半ば強引に誘われた草野球の練習

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それと共に、仲間からの昼飯の誘いを断りきれず

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『夕方には帰る。』

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そう言ったのに

その時間はどんどん迫っていた

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アパートに戻ると

既にAは出かける準備を終えていた

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雅紀「ごめんな？遅くなっちゃって……なかなか帰してもらえなくてっ！」

A「わたし……準備できてるよ？」

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綺麗に

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華やかに

着飾ったAが目に飛び込んできて

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ドクンと

ひとつ心臓が鳴った

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それなのに

また

もやもやとした感情が芽生え始める

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雅紀「行くのやめようか？」

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A「………え？」

雅紀「あ～～～いやっ！なんでもない。ちょっと待ってて？着替えちゃうからっ！」

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つい、本音が口をつきそうになる

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『行くのやめよう。』

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俺の一言で

Aは

悲しそうな顔を見せて

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理由さえ説明できないまま

逃げるように寝室に移った

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綺麗に巻いた髪の毛も

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綺麗に施された化粧も

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綺麗に彩られた爪も

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真新しいふわふわのワンピースも

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全部

全部

誰の目にも触れさせたくない

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誰かに見られるAに

耐えられないと思った

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誘ったのは俺なのに

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Aの気持ちを捕まえようと

必死になればなるほど

それは空回りしているようで

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真逆な言葉ばかりが口から出てくるんだ

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