愛をください。～another story (ページ23)

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貧血だというAに

何度も何度も病院へ行けと

つい口うるさく言っていて

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付き合い始めて数年経って

やっとAは貧血の治療を始めた

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ひと月分の薬の入った袋が

俺には頼みの綱のように思えた

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不自然なほど青白い顔をしていても

自覚のないA

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儚く消えてしまいそうで

見ているだけでも

気が気じゃなくて

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雅紀「体調悪いんだったら、会社休んで寝てろよ？」

A「うん、大丈夫だから。」

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そう言ってAは

俺の心配なんて知らんぷりで笑う

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雅紀「俺……Aが辛そうにしてるの、見てらんねーんだ……。」

A「………え？別に、いつもこんなだし辛いなんて思ってないよ。」

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俺の言葉に不思議そうな顔をしたAだけど

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俺は

貧血や体調だけじゃなく

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もしもAが俺といるのが辛いなら

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そんな事まで考えるようになっていた

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俺は

いつからかAがどこで

誰と何をしていても

何も言わないようになっていた

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詮索することが

疑いをかけているようで

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単純に

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うるさい男

や

束縛の強い男

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それが嫌われるんじゃないかと

そんな風に思われるのが怖くなっていただけだ

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俺は

例えどこで何をしていても

Aさえちゃんとここに帰ってきてくれるなら

それでよかった

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それが

独りよがりだなんて

気づく事も無かったんだ

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『愛をください。3』
～「Life」「Far away」より～

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