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ベッドの中
静かに寝息を立てるAを
起こさないように抱きしめる
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Aの低い体温を温めるように体全部で包み込んで
ぎゅっと体を抱きしめると
ふわふわとAの前髪が頬をくすぐった
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A「……雅紀……？」
雅紀「うん、ごめん……起こしちゃった？」
A「……ん……。」
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寝ぼけたAをすっぽりと腕に包み込むと
Aの匂いが鼻腔をかすめて
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つい
男の体がそれに反応してしまっていた
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雅紀「A……？」
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呼びかけても
もう返事さえもない
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規則的な呼吸だけが耳に届いて
拷問のような時間が訪れる
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ゆすり起こして
寝ぼけまなこでも
自分の欲求を通せたら
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たぶん
それで体だけは満足するだろう
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でも
今のAのことを思うと
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それが出来ない
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もし
拒否されたら
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そんな思いまでも先に立つようになっていた
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俺は
いつの間にか
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Aから求められないと
肌を合わせること自体に
ためらうようになっていたんだ
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好きな思いが大きいだけ
Aを傷つけてしまいそうで
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体から始まった関係だから尚更
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それだけになる関係が
怖いと思うようになっていた
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作者名：四葉（よつば）
作成日時：2013年1月3日 22時
