愛をください。～another story (ページ20)

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…20…『儚い花びら』ページ20

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Aの肌の白さは

女性なりのケアをしているから

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そんな風に単純に思っていた

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それが

いつからかただの白さではなく

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青白さまで感じるようになっていた

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ソファの背にぐったりともたれるAの額に手を当てても

体温なんか感じないぐらいに冷たくて

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このまま死ぬんじゃないかって思えるぐらい

弱く

儚く

目に映っていた

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雅紀「体調、悪いの？」

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A「悪くないよ。子供の頃からなの、貧血。」

雅紀「貧血……。」

A「そう、普段はろくに自覚症状なんてないんだけどね？今日はダメみたい。」

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こんなに青ざめても

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体調が悪くない

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なんて

あるはずはないのに

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Aの強がりは

意識的なものじゃなくて

無意識からのものなんじゃないかとさえ思える

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雅紀「病院……行く？」

A「ううん……大丈夫！少し横になってれば。」

雅紀「………そう……。」

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そうは答えたけれど

Aは

大きくため息を落として

目を閉じた

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雅紀「明日でも病院連れてこうか？」

A「いいよ、別に……。」

雅紀「ダメだって！そんな青ざめ……。」

A「いいってば！大丈夫だからっ！」

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心配と

不安と

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そんな思いからつい口うるさく言って

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不機嫌そうな顔をして

ソファにもたれたまま

俺に背中を向けた

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Aは

普段から自分の弱さを

俺にさえ見せようとしない

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そんなAを放っておけなかった

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甘えられないAを放っておけなかった

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