愛をください。～another story (ページ18)

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母「雅紀くん？Aのこと、よろしくね？」

雅紀「……はい。」

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母「あの子は潤みたいな子とはぶつかっちゃうのよね。
あなたみたいな穏やかな人の方が、きっと幸せになれるのよ。」

雅紀「そう……ですね。俺も、そうであって欲しいと思います。」

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俺が幸せにできるなら

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俺で幸せにできるなら

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Aの他には

何もいらない

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母「わがままな娘だけど。」

雅紀「いえ……。」

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何も言わなくても分かってくれる

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そんな男になんて

なれなくても

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何も言わないAのことを

好きでいる自信だけはあるから

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母「じゃあ、帰りましょうか。」

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とっくに空になったコーヒーカップが

テーブルの上に寂しくたたずむ

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雅紀「あのっ！お母さんの連絡先……聞いてもいいですか？携帯……とか。」

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席を立ったお母さんの後ろ姿に

つい

呼びかけていた

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雅紀「Aに何かあったときでも、連絡できるように。」

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お母さんは

呆気に取られた顔をした後

ふっとそれを緩ませて

バッグの中から携帯を取り出した

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母「Aは、雅紀くんに預けて正解だったみたいね？」

雅紀「俺……Aのこと……ちゃんと守っていきますから。
例え、どんなことがあっても。」

母「ありがと。あんな子だから……心配で。」

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守ってく

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なんて

約束できるほど

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俺はそんなに強い人間でもないのに

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