愛をください。～another story (ページ16)

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母「若い男の子とお茶するなんてね？娘の彼氏でも何だか恥ずかしいわね？」

雅紀「そんな……。」

店員「お待たせしました。」

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コーヒーと

いつの間にか注文されたショートケーキを

店員が目の前に二つずつ置いて

静かに去っていく

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母「今日は、何かの記念日？
雅紀くんのお誕生日……なら、自分で買いにはこないわよね？デコレーションなんて。」

雅紀「……はい。記念日……って程でもないんですけど。
Aと出会って、ちょうど一年なんです。」

母「一年……？そうだったの……。」

雅紀「大げさですけど……Aが好きなケーキぐらい買ってこうかな……って。」

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照れながら

お母さんに答えた

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雅紀「普通は女の子が好きじゃないですか、記念日とか。
男のくせに、ちょっと恥ずかしくて。」

母「でも、出会った日を覚えててくれるなんて、Aも幸せよね？」

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コーヒーを啜りながら

お母さんは優しい笑顔を向ける

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雅紀「結構、印象深かった出会いだったんです。」

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まさか

あんな出会いだったなんて

お母さんには

言えないけれど

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苦笑いにも似た笑いを浮かべて

ひとつ呼吸を落とした

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あの日

あの友人の結婚式の日

Aに誘われなければ

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今の二人の関係は無かったわけで

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こんなにもAに堕ちる自分がいるなんて

思ってもいなかったから

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