愛をください。～another story (ページ2)

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結衣「まぁくん？やっぱり似合うよ？こっち選んで正解！」

雅紀「そう？」

結衣「てか、なに着ても似合うけど！」

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友人の結婚式用に新調したスーツに身を包んで

鏡の前でネクタイを直すと

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にこにこしてたばずの結衣が

急に淋しそうな顔をして

ぎゅっと腕に抱きついてきた

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結衣「早く、帰ってきてね？」

雅紀「あ～～～……分かってるよ。」

結衣「あんまり、飲み過ぎないでね？」

雅紀「だいじょぶ、だいじょぶ。」

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せっかくの休日を

結婚式というものに奪われて

結衣の淋しい気持ちも分からなくはないけれど

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正直

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ベタベタされるのはあまり好きじゃないから

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結衣のことは嫌いじゃないけれど

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可愛いとは思うけれど

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何かが違うって

ずっと思ってたんだ

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雅紀「じゃあ、行ってくるから。」

結衣「うん……遅くなるようなら電話して？」

雅紀「分かってる。」

結衣「終電に間に合わなくなっちゃうから……。」

雅紀「もう一日、泊まってけば？」

結衣「だめ～～～、月曜からまた仕事だもん。」

雅紀「そう……？じゃあ、早めに帰るから。お利口さんに留守番してて？」

結衣「わかった。」

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くりくりの目で俺を見上げて

言葉にしなくても

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行かないで

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って

その目から伝わる

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二次会、三次会

考えただけで早くなんて帰れないのは

分かっていたから

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部屋を出る前に

ひとつ

尖らせた唇に口づけた

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週末だけアパートに泊まりに来る結衣

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普通の恋人同士なら

それぐらいが普通だと思う

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近すぎず

遠すぎず

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それが、二人の関係を維持するためには

丁度いいと思っていた

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