愛をください。3 (ページ9)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:234,546 hit

88.機械的な行為ページ9

.

.

下着姿のまま

彼の首に腕を絡めて

はだけた胸に唇を寄せる

.

.

感情なんて

ひとつもない

.

機械的な

行為

.

.

.

美和のバカにしたような顔が

脳裏に浮かんでは消える

.

.

.

この男さえ手に入れれば

美和の鼻っ柱を

へし折ってやれる

.

.

私の中にあるのは

ただの悔しさと

憎しみだけ

.

.

.

彼の体が

私の体を覆う

.

.

冷めたような目で見下ろされてるのに

肌をなぞる指先は

優しく滑る

.

.

痛いぐらいに

攻められた方が

.

まだマシ

.

.

こんなんじゃ

自分を失うことさえ出来ない

.

.

.

A「もっと……酷くして。」

.

.

.

真っ白な天井を眺めたまま

ポツリ

呟いた

.

.

.

胸に吸い付けた唇を離して

不思議そうな目で

私の顔を覗き込んだ

.

.

翔「……さっきは優しくって言ってたのに？」

.

A「もう、いいの。お願いだから、なにも……考えなくて済むように……。」

.

.

.

美和の悔しがる顔を想像して

それだけのために彼に抱かれるなんて

.

自分でも呆れるぐらい

バカな女だって分かってる

.

.

.

それでも

.

こうでもしなきゃ

.

.

鼻先で笑った美和の声が

いつまでも

頭から離れない

.

.