愛をください。3 (ページ45)

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124.Tricolor color ページ45

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雅紀が予約したと言った店は

アパートからもそれほど遠くはなくて

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裏通りのイタリアレストラン

そんなイメージが強かった

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雅紀「予約した相葉です。」

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店員に告げると

用意された席へと案内される

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週末の

それも番組で紹介された場所ってだけで

店内はそれなりに混み合っていて

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大きく飾られたトリコロールに合う

賑やかなざわめきが広がっていた

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メニューを広げた雅紀が

目の前で嬉しそうにしていて

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それを見て

私もなんだか嬉しくて

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雅紀「なに食う？俺、石ちゃんが食ってたやつがいいなぁ。」

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子供みたいな顔をして

目を輝かせていた

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ずっとこんな表情

見ていないかも知れない

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いつからか

一緒にはしゃぐことも無くなって

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いつからか

会話さえ少なくなっていた

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雅紀「Aは？一緒にコースで頼む？パスタは選べるって！
あ～～～食い切れなそうだったら、俺食うから！」

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痩せてるくせに大食いで

そんなところも好きだったなぁ

なんて

忘れていたことを思い出したりして

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雅紀「Aはさ、イタリアン好きだったよね？」

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A「………え？」

雅紀「そう……言ってなかったっけ？」

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A「言ったかどうかは覚えてないけど……好き。」

雅紀「言ってたよ？あの頃は、どこも連れてくこと、出来なかったからさ……。」

A「………。」

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あの頃

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雅紀が言ってるのは

まだ

あの彼女と別れる前

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ほんのゲームのつもりが

まさかあんな結末になるなんてね

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思ってもみなかったけど

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それでも

私には

この上ない好都合だった

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バカな二人の

バカな結末

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仕掛けたのは私でも

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見境なくなった

二人が悪いだけ

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