121.Unnatural invitation ページ42
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茶色い髪の毛がフワフワと指に絡んで
ドライヤーの風に流される
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缶ビールを抱えた雅紀は
ぼんやりとテレビを見ていて
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ドライヤーのスイッチを切ると
ゆっくりと振り返った
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雅紀「ねぇ……A。」
A「………ん？」
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雅紀「週末、一緒に出かけようか？」
A「……え？どうしたの、急に……？」
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雅紀「いや……さっき出てたレストラン、行ってみっかな〜って思ったんだけどね？」
A「レストラン？」
雅紀「今、石ちゃんがやってたんだよ……。たまにはさ、こんなオシャレなとこ、行ってみたくない？」
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テレビの中は既に石ちゃんではなく、別の誰かがレポーターをしていて
珍しく見たグルメ番組に
雅紀が反応するなんて
思ってもいなかった
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雅紀「友達とか先約あっても断ってよ。」
A「……別に、先約もないけど……。」
雅紀「じゃあ行こう？俺、予約入れとくからさ？」
A「うん……。」
雅紀「あ〜〜〜……嫌なら別にいいけど……。」
A「嫌……じゃないけど……。」
雅紀「けど？」
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A「びっくりしただけ。」
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雅紀「たまにはデートすんのも、よくね？」
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A「………うん。」
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急な雅紀の誘いが
不自然に思えて仕方かった
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ただの気まぐれ
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それ以外
考えられない
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機嫌よくヘラヘラ笑うその顔を見て
変な魂胆があるんじゃないかと
疑ってみたくなったりしていた
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ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：四葉（よつば）
| 作成日時：2012年10月7日 22時
