愛をください。3 (ページ41)

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120.猫ページ41

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雅紀「髪の毛、乾かして？」

A「……うん……いい、けど……。」

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雅紀「昔はさ、よくやってくれたよね？」

A「………。」

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雅紀「すごく、それが好きだったんだ。」

A「………。」

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雅紀「髪の毛だけじゃないけどね？」

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クスクスと口元で笑って

空けた缶ビールに喉を鳴らした

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雅紀の言いたいことが

私には伝わらない

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なぜ今頃そんなことを言い出したのか

何も分からない

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確かに

雅紀の髪の毛は

猫みたいに柔らかくて

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それを触るのが

好きだった

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いつの間にか

時間と共にそんな事も忘れていて

ドライヤーを握ることもなくなった

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好きだった時間を

いつの間にか私が忘れてる

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でも

雅紀が好きなのは私の指

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それだけ

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